「争うのが嫌だな~」という人が仕事で活躍できるようになる方法
こんにちは。皆さんは、仕事ができる人、会社で活躍できる人ってどんなイメージを持っていますか?
「ロジカルに考え、自分の意見をどんどん言える人」「行動力があって、どんな人でも味方につけられる人」「強力なリーダーシップで人を引っ張る人」
そんなイメージだったりしませんか?
でも本当にそうでしょうか?よーく見渡してみると、そんな人ばかりではないことに気づくと思います。
実際、私は大手企業、中小企業、海外企業と沢山の会社で多くの社長や管理職といったリーダーを見てきましたが、いわゆる「強そう」な人ばかりではありませんでした。
唯一共通していることは、「自分の強みを理解して、それを活かしている人」です。
ここで「強み」というのは、以前のブログでもお伝えした「自分らしさを訓練によって強化したもの」です。
ですので、一見すると、「強み」に見えないようなことでも、実はそれが「らしさ」であり、それを理解して、強化していけば、自分にしかない「強み」になったりします。
Gallup社のストレングスコーチングを受けると、より深くそれを理解できるようになるのですが、本日はそのエッセンスの一部をお伝えしたいと思います。
目次
「自分が争うのも他人が争っているのを見るのも嫌」という人
こうゆう人を見かけたことがありますか?もしくはご自身がそうだったりしますか?
こういうことを言う方のコーチングをしたこともあるのですが、以下のような行動をとることが多いようです。
- 基本穏やかで落ち着いている
- 衝突を避けるアプローチをする
- 一致点を探すようにする
- 自分の意見や感情を明かさない
これだけ見ると「弱い」とか「リーダーになれないタイプ」と思われるかもしれませんし、自分がこの人の親だったり、上司だったりすると、「もっと自分を出せ」「ライバルをつくって切磋琢磨しろ」「そうしないと偉くなれないし、稼げないぞ」となってしまうのではないでしょうか?
しかし、もっと話を聞くと、
- 衝突している人同士にも共通するものがあると思っている。
- 共に協力する手助けをしたいと思っている。
- 全員が賛同できる事柄について話すのを好む。
という側面があったりもします。
ここが非常に大事なところなのですが、日本の「弱点克服型教育」に当てはめて、ある側面(その人の弱点と思われる言動)にだけ目を向け指導すると、その人が本来持っている「自分らしさ」を失わすことになるんです。
つまり、その人の「強み」となるべきものを奪うということです。
「人をまとめ調和のとれたチームをつくれる」という人
実は、こういう人は、様々な人の意見を聴くことができる(共通するものがないかを探すことができる)人であり、みんなの合意点をとることができる人でもあるんです。
そして、なによりそのためには労力を惜しまないという特徴も持っています。
例えば、業務効率化のために、新しいスキームをつくらないといけないとします。
担当者が何人かいて、みんなの意見がかみ合わないとき、それぞれの意見を聴かずに、強力なリーダーシップで「明日からこうするから言うこと聞け!」とやったらどうでしょう?
まぁ、お仕事だからやることはやるでしょうけど、不平不満でしこりが残りますよね。「〇〇さんは自分勝手だ」「現場を知らない人が現場の意見を聴かずに決めるな」とかそういう場面に遭遇したことがある人もいるのではないでしょうか?
そんなとき、今回のテーマのような人ならば、現場の意見をまとめ、合意点を取ることに労力を惜しまないので、みんなも協力的になり、結果、成果が出るということも考えられます。
ただし、このように「自分らしさ」を「強み」に昇華するまでには、身につけておかなければならないこと(身につけたほうがよいこと)もあります。
例えば、
- コミュニケーション力(合意点を求めていることを伝える力)
- 問題解決力(具体的に合意点を取るための手法)
- 自分と異なるタイプ(強力なリーダーシップ)の人を仲間につける
→協力することでお互いを補完できるようになる
といったことなどです。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回の話を整理すると「争うのが嫌だな~」と言う人は、
- 「争うのが嫌い」というのは「弱点」ではない
- 「人をまとめ調和のとれたチームをつくる」可能性を持っている
- 「らしさ」を「強み」に変えるためには訓練が必要(例えば下記3つなど)
- コミュニケーション力
- 問題解決力
- 自分と異なるタイプの人を仲間につける
ということになります。
ストレングスコーチングでは、34の資質の組み合わせから、「その人らしさ」だったり「強み」ということを探っていきますので、今回のように一つの例から「こういう人」ということはしないのですが、一見すると「弱み」として捉えがちなことでも、実は「強み」になり得るということは、ご理解いただけたのではないでしょうか。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
仕事の「見える化」に必要な3つの要素
こんにちは。今日は「仕事の『見える化』に必要な3つの要素」というテーマでお話させていただきたいと思います。
よく仕事の中で「見える化しよう」とか「見える化って大事だよね」という話を聞くと思います。でも具体的に何をすることなのか、結構あやふやだったりします。
大概目的としては、何か問題が起きていて、それを解決するために行うのだと思いますが、「見える化」自体が「見えていない」とそもそもあらぬ方向に行ってしまいます。
今回も私が経験して印象に残っている内容を踏まえて「見える化」についてお伝えいたします。
目次
本質は「誰もが問題だと理解できる」こと
昔むかし、中国の工場に技術指導に行っていたことがあります。そんなある日、ある工場を訪問し、ある部材の温度管理をする作業を確認しました。
温度管理なので、定期的に温度を測定するのですが、当時はシステム的なものがあるわけでもなく、温度計を人が見て、それを紙に数字で書いていくという形でした。
まぁでも、それで「誰が」「いつ」確認して、結果「何℃」だったかはわかるので、管理はできているといえばできていたのですが、よーく数字を見ると、規定にある温度上限を超えている時間がいくつか見受けられ、また何かその時に対策を打った様子がありませんでした。
「どうして温度上限超えたときに問題を確認しなかったの?」と聞いたところ、「作業員は温度計を見て、数字を書くことは教わっていたが、上限温度がいくつかとか、そのときに何をするのかを把握できていなかった」との回答でした。
昔の中国工場のあるあるではあるのですが、当時は農村から出稼ぎで工場に来ている若者が作業員として従事していることが多く、人によっては字が読めない(当時は識字率が低かった)人もいて、作業内容を書いた紙を渡しても一部しか理解できないということがありました。
そういう背景もあり、管理しているつもりでも実際には管理できていなかったという形でした。
そこで、対策として、作業の「見える化」をしました。
具体的には、
- 温度計を見て、表に時間と温度を記載する(ここまでは一緒)
- 表のとなりのグラフ(縦軸を温度、横軸を時間)にプロットする
- グラフには上限温度に赤線を引いてあるので、それを超えたら上長に連絡する
というルールにしたのです。こうすることで、特に指示書とか読めなくても、忘れてしまっても、問題が起きた時にアラートを挙げられるようになりました。
ここで学んだこととして、「見える化」とは「誰もが問題だと理解できる」ための施策ということです。
1人で仕事をするのならば、どんなことでも自分だけが分かっていればいいのですが、チームで仕事をする場合、全員が同じ認識にならないとミスを招いたり、パフォーマンスが上がらなかったりします。
問題の予防のためにも(リスクマネジメント)、問題解決にも「誰もが理解できる」形にすることが「見える化」の本質であると思います。
やるべきは「数値化→グラフ化→閾値設定」
上記の例は最初から数値化(時間と温度という数値があった)されていたものの「見える化」でしたので、わかりやすかったと思いますが、日頃の業務の中では、はっきりと数値化されていないものもあると思います。
その状態で「業務の『見える化』をしよう!」といっても、いきなりできるものではありません。
まずは業務を数値化するところから始める必要があります。
例えば「うちの会社は会議が多いし、長いよなー」ってよく聞く話だと思いますが、実際に「毎月何回行われて、それぞれ実測何時間で、何人が参加していて、発言時間が何時間とか、工数計算すると会議1回あたりの経費はいくらになる」とか数字にしているところは少ないのではないでしょうか?
数値化できれば、あとは先ほどの例のように、グラフ化して、閾値(例えば工数などから考えて、回数や時間の限度はここまでにしたほうがいいなど)を設定すれば、「見える化」して課題を共有できるということになると思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?もう一度整理しますと、
- 「見える化」の本質は「誰もが問題だと理解できる」こと
であり、そのためには、
- 「数値化→グラフ化→閾値設定」をする
という3つの要素が重要ということでした。
これは仕事の色々な場面で有効だと思っています。特に数値化があまり進んでいないところ、私の経験上、お金をあまりかけられないバックオフィスの業務改善のために、もっといえば、そのための提案のために「見える化」することで、社内稟議を通しやすくなるのではないかと思います。
今回のお話が少しでも皆さんの一助になりましたら幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
ポンコツ社員が管理職になるまでの道 その1
こんにちは。これまでお仕事に関する話をエラソーにお伝えしてきましたが、社会人になったとき、それはそれはポンコツ社員でした。
そもそも学生時代は、バイト、テニス、ゲームに明け暮れ、まともに勉強せずに、その状態で運だけで大手メーカに入ってしまいましたから、まぁ、もうひどいもんでした。
ただ、たくさんの失敗から教訓を得て、またそれを許容してくれる周りの上司や先輩、同僚がいてくれたおかげで、若くして管理職になることができました。
今後不定期に(ネタに詰まった時に。。。)そうした失敗と教訓をお伝えしたいと思っています。
本日はその1となります。気楽にお読みくださいましたら幸いです。
目次
だぶるびーえす?プロレス団体ですか?
入社一年目のある日。先輩から質問されました。
先輩「おまえいつも仕事終わった後、家で何してるの?」
自分「そーすねー、飯食って、洗濯して、シャワーあびて、テレビっす」
先輩「テレビって何見てんの?」
自分「野球っすね、巨人ファンなんで。あとテキトーにつけてます」
先輩「WBSとか見てないのかよー」
自分「だぶるびーえす?なんすか?プロレスですか?昔はよく見てましたよ」
先輩「おまえバカか?日経新聞とか読んでないのかよ?」
自分「実家にいた時は巨人ファンなので読売新聞は読んでましたよ。それ以外の新聞は読んだことないし、一人暮らしになってからはそもそも読んでもいないっす」
先輩「・・・」
ポンコツ社員、日経を知る
今考えても恐ろしいのですが、社会のことを全くと言っていいくらい知りませんでした。よく会社に入れたなとつくづく思います。
当時は入社時に今のようなエントリーシートだったり、何度も面接するようなものがなく、特に理系の人間はそこそこ研究を説明できれば、非常にゆるーい感じで入社できる時代でした。
それもあってか、そもそも社会のことを知ろうなんて発想はなかったですし、今のようにインターネットが普及する前でしたから、どうやって知ればよいのかもよくわかりませんでした(自分が単にアホだっただけかもしれませんが。。。)。
そのため、結構この会話は衝撃的で、四半世紀近く前の会話なのに鮮明に覚えています。冗談のように見えますが、本気で、WBSという存在を知らず、日経という言葉は知っていましたが、どんな新聞なのか見たこともありませんでした。
あの後、先輩に「もっと社会のことを勉強しろ!」と言われ、そこからニュースを含めよく見るようになりました。
ちょっと偏っているかもしれませんが、WBSは録画するようにし、その後始まった「ガイアの夜明け」とか「カンブリア宮殿」とか、テレビ東京のビジネス定番番組も録画して見るようになりました。
もちろん日経新聞も読み始めました。ただし、新入社員の一人暮らしにはお金が厳かったので(そのとき初めて新聞の購読料を知りました。。。)、会社に置いてあるものを読むようにしていました。当時会社は各種新聞を取っていたので助かりましたね。
教訓:世の中のことを勉強しよう
いまはインターネットでなんでも調べられる時代ですが、一方、Yahooニュースなど、自分の嗜好に合わせた情報を出すようにする機能があったりして、よい反面、情報が偏る可能性があります。
芸能情報、スポーツ情報ばかり見ていると、そればっかりが上位に出てきて、社会の動き、国際情勢などは能動的に調べないと全く見ないということになりかねません。
特に若い時ほど、頭が柔軟で感性が豊かな時ほど、世の中のことを多く吸収すべきだと思っています。
私の経験上ですが、この出来事を境に人と会話する内容が変わったような気がします。また、ビジネスの現場で仕事以外の雑談の場面でも物怖じせずに話ができるようになったと思います。
日経の回し者ではありませんが、特に若い方でまだ日経を読んでいない方は、是非お試しいただければと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
悩んでつらい時にちょっと楽になる3つの方法
こんにちは。悩みというのは人それぞれで、感じ方も色々だと思います。
それらをまとめてお話することは難しいのですが、本日は私が実践しているちょっと楽になる方法をお伝えします。
やるべきことが見えていて、あとは腹をくくるだけという悩みならば、つらいとまでは感じないのですが、どうにも出口が見えない悩みというのは本当につらいです。
そんなときに解消とまでは言えないまでも、ちょっと楽になれると、少しだけ前向きに物事が考えられるようになる気がします。
心理学などアカデミックな話ではないので、皆さんのお役に立てるか分かりませんが、ご参考になれば幸いです。
目次
感情をすべて書き出す
よく「悩んだら紙に書け」と言われますが、これは本当にそうですね。特に思っていること、感情をばーっと書くのがいいです。
ロジカルに起きていることをまとめるとか、日記として書くとか考えると、感情を抑えてしまうこともありますが、書いたものをその場で破り捨てる勢いで書くと、少しすっきりします。
本当につらいと、書きながら涙することもあると思いますが、それで更にすっきりするのだと思います。なかなか普段泣けない人もそんなときは泣けたりするものです。もう思い切って「泣くために書く!」と思ってやってもいいかもしれません。
話を「聞くだけ」の人に話す
これも当たり前のことかと思いますが、紙に書いて、少し感情を整えた後、人に話すと更にすっきりします。
このとき大事なことは2つあると思っていて、
- 「紙に感情をぶちまけた後に」話をすること
- 「アドバイスをしない人に」話をすること
です。
前者については、なんとなくわかると思いますが、紙に書く前に話をすると、言葉にならない感情を相談相手にぶつけることになってしまいます。
恐らくカウンセラーとかに対してはそれでよいのだと思いますが、相手が家族だったり友人だったりすると、受け取る側からしたら、なかなかつらいものがあると思います。何度も話を聞こうということにはならなくなるかもしれません。
なので、先に紙に感情をぶちまけるというのがよいと思っています。
後者についてですが、相談相手によっては、もちろん良かれと考えてのことだと思いますが、話を聞いた後、「だったらこうした方がいいよ」とか「〇〇と考えればいいよ」という正論的なアドバイスをします。
正直、つらい状態でそのアドバイスを聞くと、更につらくなることがあります。
ただ、折角相談に乗ってくれているので、その時点で「アドバイスはやめてください」とは、なかなか言いづらいものです。
難しいとは思いますが、普段からアドバイスよりも話を聞いてくれる人を探しておくとよいですよね。1人でもそういう人がいると本当に救われます。
いまできることを全力でやる
時間があると、どんどん悪いことを考えてしまいがちです。これまでやってきたことへの後悔や至らない自分への無力感、そのスパイラルの中、自己効力感も落ちていき、どんどん深みにはまってしまいます。
そうならないためには「いまできることを全力でやり、余計なことを考える時間をなくすこと」だと思っています。
特に、自己効力感が落ちているときなので、「自分にいまできること」であり、かつ「人に感謝されること」「人に認められること」がよいと思います。
簡単なところでは、家族がいれば、家事を率先してやるということがあると思います。一人暮らしの人であれば、家のまわりの掃除をするということがあるかもしれませんし、時間があるならば、ボランティアに参加するということでもよいと思います。
また、今ご覧になっているような「ブログを書く」ということもありだと思います。特に自分の経験などを話し、「いいね」や「ブックマーク」がついたら、自己効力感が上がると思います。
私もこれらの数が増えると嬉しいですし、自己効力感がとても上がります。
ちなみに自己効力感は以下ブログでもお伝えしていますので、参考にしてみてください。
まとめ
私が実践している、つらい時にちょっと楽になる方法について整理しますと、
- つらくなったら感情を紙に書き破り捨てる
- 話を聞いてくれる人にひたすら話をする
- 余計なことを考えないよう、できること、特に人に感謝されることをやる
ということでした。
皆さんの悩みに当てはまるものかどうかわかりませんが、悩みのない人、つらいと感じることがない人生というのは、この世にはないと思います。
自分なりに、ちょっとでも楽になる、少しでも前向きになる方法を普段から考えておくのがよいのではないでしょうか。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
転職を決める前に考えるべき唯一のこと
こんにちは。今日は「転職を決める前に考えるべき唯一のこと」をテーマにお伝えしたいと思います。
世の中にはいくつか考えるべきことがうたわれていますが、私の経験上、考えるべきことはただ1点のみでよいのではないかと思っています。
逆に色々なことを考え過ぎて、それぞれが平均になると、結果として「失敗した」と後で後悔する羽目になります。これも私の経験上の話です。
転職が当たり前の時代になったからこそ、事前にしっかり考えておきたいですよね。
目次
転職は「過去の経験から」ではない
これまでの「経験を活かして」転職をするというのは王道かと思いますが、だったら今の会社のままでもいいですよね?
スタートラインはここだと思います。以前キャリアに関するブログで「キャリアはこれまでの人生そのもの。自分が歩んできた足跡。」という話をしました。
転職とは、字のごとく「職を転じる」わけですから、「これまでと方向を変える」ために行うべきものです。つまり、「過去」ではなく「未来」を見ないといけないということになります。
年収・業種・職種も関係ない
ですから、これまでの「年収・業種・職種」ということを気にしてはいけないのです。
ちょっと言い過ぎのような気がしますが、私の経験上、
- これまでの経験を活かせる仕事
- これまでの年収を維持もしくは上がる仕事
- 結果として、同じ業種・職種ですぐに成果が上がる仕事
を選んだ結果、必ずと言っていいほど入った後に後悔します。その後悔というのは「前の会社の方が良かった」というものです。
先ほど「転職」の字の話をしましたが、付け加えるならば、「転職」は「転社」つまり「会社を転じる」のではなく、「職(仕事)を転じる」ということなのです。
転職を決める前に考えるべきは「未来」のみ
転職を成功させる、つまり「転職してよかった!」と思うためには、「自分の未来」つまり、「将来の人生につながるものか?」ということだけを考えればよいのです。
これがマッチしていると、多少の困難でも苦にはなりません。また、過去を振り返って「あの時の方が良かった」ということも考えなくなります。
ここが一番重要で、転職後にモチベーションが一番落ちるのは、仕事でも人間関係でもなく、「前の会社の方がよかった」と思う気持ちなのです。
当然ですが、モチベーションが落ちれば、パフォーマンスも低下します。成果も上がらなくなり、より仕事や人間関係が苦しくなり、結局、また転職を考えてしまうという悪循環になってしまいます。
「未来」の定義とは?
では、どのように「未来」を考えればよいのでしょうか?
そもそも、「未来」って何を指していると思いますか?5年後?10年後?15年後?漠然と「未来」というと、よくわからないですよね。
以前、社内でキャリアコンサルティングをしたとき、若手社員(20代から30代前半)に「将来はどうなっていたいか?」という話を聞きました。
多くの社員は、5年後までは明確に答えられました。しかし、その先になるとあやふやで、かつ「では、そうなれたとしたら、あなたはそこで何をしたいですか?」という質問に関しては、ほぼ答えられませんでした。
「未来」とは、5年でも10年でもなく、死ぬまでの人生を考えるということだと思っています。また、そのときに「何をしていたいのか?」ということが重要なのです。
「未来」を考える方法(ライフキャリアレインボー)
「未来」を考える一つのツールに「ライフキャリアレインボー(ライフキャリアの虹)」というものがあります。
出典:文部科学省「高等学校キャリア教育の手引き」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2011/11/04/1312817_05.pdf
詳細はまた別の機会にお話したいと思いますが、簡単に説明しますと、
「自分の人生には8種類のライフロール、つまり『役割』があり、それぞれ、子ども、学生、労働者(職業人)、配偶者、家庭人、親、余暇人、市民となる。人生そのときで、この『役割』の割合が変わる」
ということです。
上図はライフキャリアレインボーの一例となりますが、例えば、小学校に上がるまでは「子ども」という役割が100%ですが、小学校に上がると「子ども」の役割が減って、「学生」という役割が出てきます。
同様に見ていくと、22歳前後で「労働者」という役割がでてきたり、25歳前後で「家庭人」という役割がでてきています。つまり結婚したということですね。
ライフキャリアレインボーを作成してみる
「未来」を考えるために、この「ライフキャリアレインボー」を作成してみるのです。実際に書くときには以下のような縦型で、それぞれの役割を色別にし、各年齢での役割の合計が100%となるようにすれば、書きやすいと思います。Excelなどを使えば簡単に作れますね。
過去から現在については、これまでのことですからすぐに書けると思います。問題はその先、「未来」についてです。書こうと思うと意外と書けないものです。
もちろん、仕事をどうするかを第一に考えると思いますが、一方で、「子育てをどうするのか?」「親の介護はどうするのか?」「セカンドキャリアのための勉強をどうするのか?」を考えると、「ん??」となると思います。
本来「転職」はこれらを踏まえて、「将来どうなっていたいのか?そこで何をしたいのか?だから今、転職するのか?」ということを考えてやるべきなのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?ちょっと極端な話だったかもしれませんが、本質はついているのではないかと思っています。本日の話を少し整理しますと、
- 転職で考えるべきは「過去」ではなく「未来」
- 「未来」とは、死ぬまでの人生を考えるということ
- 「未来」を考えるために、「ライフキャリアレインボー」を作成してみる
- その上で「将来どうなっていたいのか?そこで何をしたいのか?だから今、転職するのか?」を考える
ということでした。
転職がしやすくなったとはいいますが、まだまだ人生の一大イベントには変わりません。転職をした場合、少なからず、何かしらの後悔というものはでてきますが、未来を見据えたものであれば、無駄だったということには決してならないと思います。
転職を考えている方の一助になりましたら幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
【新人向け】問題発生時の情報整理3つのポイント
こんにちは。本日は「問題発生時の情報整理3つのポイント」をテーマにお伝えしたいと思います。
タイトルに【新人向け】とありますが、これは、私が新人の頃、問題の情報整理をするよう指示されたとき、うまくできず、周りの人から教えてもらった内容を簡単にまとめたものだからです。
そのためベテランの方々にとっては「当たり前だよー」という話が多いと思いますが、意外とこういうことをしっかりと教えてくれる人やそういった類の社内研修が少ないのではないかと感じています。
事実、自分が管理職の立場になったとき、新人でもないのに問題発生時の情報整理がうまくできないという部下を何人か見ました。
問題が起きると、自分も周りも浮足立つので、基本的なことを忘れて、対処の方に走りがちです。一度立ち止まって情報整理することが大事になってきます。そういいつつ、時間との闘いというところもあるので、シンプルに素早く、チーム全員のコンセンサスを取るということも必要です。
今回の内容は非常にシンプルですが、現在も私が問題発生直後に意識する内容です。「当たり前」の要素も多分にありますが、お役に立ちましたら幸いです。
目次
1.現状・原因・対策を整理する
問題が発生し、チームで情報共有をすることになったとき、私は一番最初に「現状」「原因」「対策」と言う文字を書きます。
昔はホワイトボードの真ん中に線を引いて、左半分は「現状」「原因」、右半分は「対策」についてまとめるようにしていました。今はプロジェクタとPCでまとめますので、ちょっと違いますが、これらを忘れないという意味も込めて、最初にこれらを書くのは変わっていません。
「現状」についてのポイントは、「三現主義」で書くということです。「三現主義」の詳細についてはまた別途お話したいと思いますが、要は“現場”“現物”“現実”で状況を把握するということです。
一番良くないパターンは「〇〇さんがそう言っていた」「XXだと思います」という伝聞や想像で現状把握を図ろうとすることです。事実ベースで今起きていることを整理できなければ、この後の対策まで間違った方向に進んでしまいます。
「原因」についてのポイントは、「流入原因」「流出原因」を分けて考えるということです。意外とこれができない人が多いです。
「流入原因」とは「問題を引き起こした直接的原因」であり、「流出原因」とは「問題が表面化してしまった原因」です。
例えば「お客様の名前を間違えて手紙を出してしまった」という問題が起きたとします。よくある議論として、「出す前にちゃんとチェックするようにしていたんだけど、見逃しちゃったのが原因だよね」という話。これは単なる「流出原因」であることが多いです。作業を見返すと、実は「急いでいて、お客様のメールから名前を見て、手で書き写したが、書き間違えた」ということがあったりして、そうなると、それが直接的な原因である「流入原因」となりえます。
ここで重要なのは、問題には往々にして2つの原因があるということです。「流出原因」の多くは「チェック漏れ」というものであり、これが真因となることは極稀です。大概はその前に問題が起きうる原因があり、その「流入原因」を正確に捉えることが、最終的な効果的対策につながっていきます。
「対策」についてのポイントは、「暫定対策」「恒久対策」を分けて考えることです。こちらはイメージがすぐにつくと思いますが、問題解決に向けて「まずすぐにやること(恒久対策)」と「今後同じような問題が起きないようにすること(恒久対策)」の両方を考えるということです。
先ほどの原因の例から考えると、「暫定対策」は、①お客様にお詫びの連絡をする ②宛先のチェックを2人で行う、といったことになるかもしれません。また、「恒久対策」は、お客様の宛先はシステムに入力し、そこから印刷する(手書きは不可というルールをつくる)といったことになるかもしれません。
「恒久対策」は「流入原因」の対策ということが多いと思います。その意味でも「原因」をきちんと分析することが必要になるわけです。
2.箇条書きで整理し、番号をつける
これは結構マニアックな話ですが、実務としては意外と重要で、かつできていない人をたまに見かけます。
冒頭でお話したように、問題発生時には素早く情報を整理して共有することが求められているので、上記「現状」「原因」「対策」については、だらだら書くのではなく、箇条書きでシンプルにまとめる必要があります。
また、箇条書きにした際、「・」と書く人がいるのですが、これだとチームで話をする際、その後の文章を読まないと何の話をしているのか伝わりません。たまに「その~上から2番目の話さー」とかいう会議を目にした人もいるかもしせんが、だったら最初から「・」ではなく、「1.2.3.・・・」のように番号を振っておけばいいんです。
そうすれば「原因の2.についてだけど。。。」というように速く話を進められます。
ちょっとの違いかもしれませんが、こうした工夫をすることで、会議の時間が短くなったり、情報を整理しやすかったりします。簡単なことですので、若いうちから習慣化しておくと、問題発生時以外でも役に立つかもしれません。
3.5W+1Hを明確にする
これは本当に当たり前の話です。が、問題発生時にこれを疎かにして会議を終了しようとする現場を何度も見たことがあります。みんな頭ではわかっているのですが、とにかく早く動こうとして、アクションの精査を忘れちゃうんですよね。
誰が、いつ、どこで、何を、どのようにやるのか、を整理していくと、「あれ?人が足りないんじゃない?」とか「そこ今空いてないよね?」とか「その方法じゃ、また問題起きるじゃん」ということを発見することが間々あります。ちゃんと考えていたつもりでも、改めてやろうとしていることが正しいのかを確認する意味でも、基本に立ち返って、整理するということが大事ですね。
4.まとめ
いかがだったでしょうか?「問題発生時の情報整理3つのポイント」を改めて振り返りますと、
- 現状・原因・対策を整理する
- 箇条書きで整理し、番号をつける
- 5W+1Hを明確にする
ということでした。
基本的なものばかりでしたが、読んでいただいた内容を踏まえて、ご自身のスタイルを早く確立し、それをベースにアップデートしていかれるのがよいかと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
仕事の成果を正しく評価してもらうための3つの準備
こんにちは。皆さんは仕事の成果をどのように上司にお話していますか?「会社で決められた評価期間に慌てて成果を書いて、上司と面談して、評価が決まる」ということがあったりしないでしょうか?
私が経験した半分の会社はそんな感じでした。これで正しく評価されていると思いますか?また、管理職の立場の人は、それで評価できていると言えますか?
将来のキャリアを考える意味でも半期の評価はとても大事です。ずっと同じ会社にいつづけるということでも、将来的には転職するということでも、自分を知る良いチャンスだからです。
折角のチャンスですから、うまく活かしたいですよね。
今回は私の経験も踏まえ、「仕事の成果を正しく評価してもらうための3つの準備」について、お伝えしたいと思います。
目次
1.自分だけの月報を書く
そもそも自分の仕事の成果をパッと答えることができますか?
何年も評価担当者をしてきましたが、的確に話ができる人は一握りでした。日本人は特にアピールが下手といいますか、謙遜が尊い文化ということもあり、自分の成果を誇らしく話ができないということもあろうかと思います。
ただ一方で、「自分のやったことをよく覚えていない」、「面談のちょうどその時にできていることを成果と思っている」という人も結構いるのではないかと思います。
なぜこのような事が起きるのか?
それは普段から成果について考えていないからです。当たり前といえばそうなのですが、実は私もそういう経験がありました。
忙しい部署にいたとき、それを理由に、半期に1度、面談の直前に自分の成果について考えるという状態がありました。
そうなると、上記のように面談で自分の成果をきちんと話ができないんですよね。上司も忙しいから、いちいち一人一人の行動まで見てられないので、なんとなく目立っていた人、特に残業が多い人の評価が高いということがありました。
さすがによくないなと思っていたときに、入社1年目のことを思い出したのです。
入社1年目のときは、毎日「日報」を書いて、それを上司と交換日記のような感じで、毎日コメントをもらうということをしていたのです。そのときは1年目なので、大した成果はなかったのですが、自分も上司も半期に1度の面談のときには、何をやってきたのかよくわかっている状態でした。
そこから、さすがに1年目のときとは忙しさも違ったので、月報だけは書こうと決め、毎月、その月にやったことを棚卸することにしました。
このとき、大切にしたのは、ただやったことを書くのではなく、「どのような目標で」「どのような独自の工夫で」取り組み、「どのような結果」となったかを整理するようにしました。
こうすることで、うまくいったこと、うまくいかなかったことを明確にすることができ、その中で、自身の成果、さらには次の目標をまとめられるようになりました。
毎月の積み重ねですが、これがあると半期の成果はもちろんのこと、翌半期、翌期の目標設定も簡単になりますし、何より自信を持って、上司に自分の成果をアピールすることができます。
2.目標・成果は数字を意識する
営業のような成果が数字で表せるような職種であれば、若いうちから意識すると思いますが、そうでない職種の方は、成果をまとめるときに、もっと言えば目標もですが、数字がないことが間々あります。
「事務のルーチンワークだから数字なんかない」という方がいるかもしれませんが、例えば「〇〇という業務は月XX分かかるが、業務改善して、△△分に短縮できた」ということも立派な成果だと思います。
実際に部署としてそのような目標があり、その成果を求められているというところもあるかと思いますが、そういったものがそもそも設定されていないというところでは、どうしても、定性的な目標や成果ということになりがちです。
しかし、正しく評価してもらうこと、将来に向けた自身の成長ということを考えるならば、より客観的な事実、数字を用いて語るのがよいと思います。
また、この後の話にもつながりますが、成果は自分のことをよく知らない他社の人にも説明する機会が突然訪れることがあります。その際に、より自分を知ってもらうためにも、数字を用いるということは大事になってきますので、習慣化しておくのがよいかと思います。
3.職務経歴書を書くつもりでまとめる
皆さんは職務経歴書を書いたことがありますか?転職されている方、派遣業務をされている方であれば、もちろん馴染み深いと思いますが、そうでない方はどんなものかもよくわからないということがあるかもしれません。
私も転職を決断するまで見たことも書いたこともなく、まずどのように書いたら良いのか、サンプルを参考にしながら見よう見まねで書いた記憶があります。
職務経歴書の詳細については、機会があればまた別途お話したいと思いますが、概略としては、以下のようなものを書くのが一般的です。
- 職務概要
- 職務経歴(職務内容と実績)
- 活かせる知識と技術
- 資格と免許
- 経験とスキルの概要
- 自己PR
ここで、職務経歴に当たる部分がいわゆる「成果」の積み重ねとなりますが、それ以外の部分は、転職などがない限りふつう意識しないですよね?ただ、これらが「成果」から影響を受けているということはなんとなくイメージがつくと思います。
職務概要は「成果」の概要ですし、経験やスキルも「成果」から得られたものです。
知識や技術、資格、免許といったところは直接的には関係ないかもしれませんが、目標設定時に「これらを得る」と掲げ、結果どうだったかということが「成果」につながるかもしれません。
最後の自己PRはまさに自分の「成果」のアピールの場です。更にその成果を受け、今後何をしていきたいかということも必要となるので、将来のキャリアを考える上でも重要な部分です。
こう考えると、実は半期の成果をまとめる際に、これらも一緒に考えるということが、より自身のそれまでの成果を整理することにつながります。
実際、私は転職を考えていない時も、最低半年に1回は職務経歴書を更新しています。こうすることで、それまでの成果を整理できることはもちろんのこと、自分に足りないもの、将来の目標やキャリアと現在とのギャップも知ることができます。
また、現在の不確実な時代において、いつ会社や仕事がどうなるかわからないということを考えると、定期的に職務経歴書を更新しておくことは、何かあった時にすぐに仕事を変える準備ができているという安心感にもつながります。
特にまだ職務経歴書を見たこともないという方は是非どのようなものかを知るだけでも今後の参考になるかと思います。
4.まとめ
いかがだったでしょうか?「仕事の成果を正しく評価してもらうための3つの準備」について改めて整理しますと、
- 自分だけの月報を書く
「どのような目標で」「どのような独自の工夫で」「どのような結果」を書く - 目標・成果は数字を意識する
正しい評価と自身の成長のため、より客観的な事実、数字を用いて語る - 職務経歴書を書くつもりでまとめる
職務経歴書の中身を意識することで、より成果を深く考えられる
ということでした。
少しでも皆さんのお役に立ちましたら幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。