お仕事部ヘッドコーチ

お仕事にまつわる様々な悩みを解決するヒント!

仕事の「見える化」に必要な3つの要素

f:id:oshigoto-bu:20200718094940p:plain

こんにちは。今日は「仕事の『見える化』に必要な3つの要素」というテーマでお話させていただきたいと思います。

よく仕事の中で「見える化しよう」とか「見える化って大事だよね」という話を聞くと思います。でも具体的に何をすることなのか、結構あやふやだったりします。

大概目的としては、何か問題が起きていて、それを解決するために行うのだと思いますが、「見える化」自体が「見えていない」とそもそもあらぬ方向に行ってしまいます。

今回も私が経験して印象に残っている内容を踏まえて「見える化」についてお伝えいたします。

 

目次

 

本質は「誰もが問題だと理解できる」こと 

昔むかし、中国の工場に技術指導に行っていたことがあります。そんなある日、ある工場を訪問し、ある部材の温度管理をする作業を確認しました。

温度管理なので、定期的に温度を測定するのですが、当時はシステム的なものがあるわけでもなく、温度計を人が見て、それを紙に数字で書いていくという形でした。

まぁでも、それで「誰が」「いつ」確認して、結果「何℃」だったかはわかるので、管理はできているといえばできていたのですが、よーく数字を見ると、規定にある温度上限を超えている時間がいくつか見受けられ、また何かその時に対策を打った様子がありませんでした。

「どうして温度上限超えたときに問題を確認しなかったの?」と聞いたところ、「作業員は温度計を見て、数字を書くことは教わっていたが、上限温度がいくつかとか、そのときに何をするのかを把握できていなかった」との回答でした。

昔の中国工場のあるあるではあるのですが、当時は農村から出稼ぎで工場に来ている若者が作業員として従事していることが多く、人によっては字が読めない(当時は識字率が低かった)人もいて、作業内容を書いた紙を渡しても一部しか理解できないということがありました。

そういう背景もあり、管理しているつもりでも実際には管理できていなかったという形でした。

そこで、対策として、作業の「見える化」をしました。

具体的には、

  1. 温度計を見て、表に時間と温度を記載する(ここまでは一緒)
  2. 表のとなりのグラフ(縦軸を温度、横軸を時間)にプロットする
  3. グラフには上限温度に赤線を引いてあるので、それを超えたら上長に連絡する

というルールにしたのです。こうすることで、特に指示書とか読めなくても、忘れてしまっても、問題が起きた時にアラートを挙げられるようになりました。

ここで学んだこととして、見える化」とは「誰もが問題だと理解できる」ための施策ということです。

1人で仕事をするのならば、どんなことでも自分だけが分かっていればいいのですが、チームで仕事をする場合、全員が同じ認識にならないとミスを招いたり、パフォーマンスが上がらなかったりします。

問題の予防のためにも(リスクマネジメント)、問題解決にも「誰もが理解できる」形にすることが「見える化」の本質であると思います。

やるべきは「数値化→グラフ化→閾値設定」

上記の例は最初から数値化(時間と温度という数値があった)されていたものの「見える化」でしたので、わかりやすかったと思いますが、日頃の業務の中では、はっきりと数値化されていないものもあると思います。

その状態で「業務の『見える化』をしよう!」といっても、いきなりできるものではありません。

まずは業務を数値化するところから始める必要があります。

例えば「うちの会社は会議が多いし、長いよなー」ってよく聞く話だと思いますが、実際に「毎月何回行われて、それぞれ実測何時間で、何人が参加していて、発言時間が何時間とか、工数計算すると会議1回あたりの経費はいくらになる」とか数字にしているところは少ないのではないでしょうか?

数値化できれば、あとは先ほどの例のように、グラフ化して、閾値(例えば工数などから考えて、回数や時間の限度はここまでにしたほうがいいなど)を設定すれば、「見える化」して課題を共有できるということになると思います。

まとめ

いかがだったでしょうか?もう一度整理しますと、

  • 見える化」の本質は「誰もが問題だと理解できる」こと

であり、そのためには、

  • 「数値化→グラフ化→閾値設定」をする

という3つの要素が重要ということでした。

これは仕事の色々な場面で有効だと思っています。特に数値化があまり進んでいないところ、私の経験上、お金をあまりかけられないバックオフィスの業務改善のために、もっといえば、そのための提案のために「見える化」することで、社内稟議を通しやすくなるのではないかと思います。

今回のお話が少しでも皆さんの一助になりましたら幸いです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。