中国で学んだ仕事で最も重要なのは〇〇だった!後編
こんにちは。本日は「中国で学んだ仕事で最も重要なのは〇〇だった!前編」に続く後編をお伝えしたいと思います。
中国でのプロジェクトがうまくいかないので、テコ入れをするという仕事をしたとき、「傾聴と受容」により中国側は以下のような認識を持っており、日本と中国双方とも「お互いの立場を踏まえて話し合い、一緒に問題解決をする」という姿勢がなかったというところまでお話しました。
- 日本から「これやれ!」という連絡がくるが、背景の説明が全くない。
- また、情報はくるが「生のデータ」だけで、分析や意見もない。
- 我々もその「情報のみ」対応し、契約書の「成果」を出すだけと考えている。
- しかし、本当は色々勉強したいし、成果だって期待以上のものを上げたい。
では、ここからプロジェクトをどう立て直したのかのお話です。
目次
課題と目標を共有する
プロジェクトがうまくいっていない原因のひとつは、中国側の現地サイドが日本側の対応に不信感を持っており、モチベーションが下がっていることでした。
そこで、まず、日本側から出す情報を見直すこととしました。
具体的には、発生している問題をただ流すのではなく、推定原因別にグルーピングし、課題を共有できるようにしました。
そして、それぞれに対して、品質・コスト・日程の目標を設定し、同じ認識でプロジェクトを進められるようにしたのです。
一見すると当たり前で「こんなことすらできていなかったのか?」と思われるかもしれませんが、前回お話したように、日本側は「できるだけ手間をかけない」というスタンスでしたので、その当たり前さえできていませんでした。
ただ、どうでしょう?
身近にもこうした「当たり前」のことができていないものはないでしょうか?
「課題と目標を共有する」という初歩的なことができておらず、一部の声の大きい人の意見だけで仕事が流れていく様子を日本でも様々なところで何度も目撃しました。
何事もそうですが、基本が何より大事ですね。
やるべきことをお互いに約束する
中国側の不信感が少し払拭できたところで、更にプロジェクトを推進するために、現地に赴き、主要メンバー数十人を集めて、1週間議論することにしました。
話のテーマは「設定された目標を達成するために必要なアクションは何か?」というものです。
目標までは設定しましたが、具体的なアクションについては、日本側からはあえて提示しませんでした。
そもそも日本側の対応に不信感を抱いていたところに、こちらからまた一方的な指示をしても受け入れられないと考えたからです。
最初のころは現地メンバーはほとんどしゃべらず、こちらの様子をうかがっている感じでしたが、膝詰めでプロジェクトへの想いや日本側でやるべきことを熱く語っているうちに、少しずつ話をしてくれるようになり、最後はホワイトボードを沢山持ち込み、現地メンバー同士で「どうやったらよりよいモノになるか?」を議論し始めたのです。
そして、目標設定していなかったところまで「〇〇さん、これを新たな確認項目として追加したほうがいい。これは私の責任でやるよ。」という話まででてきました。
これまで言われたことだけ(言われたこと以下)しかやらないという姿勢だった人々が改善のために積極的な提案までしてくれるようになったのです。
こうして話し合われた内容は「やるべきことをお互いに約束する」という形でまとめました。
最終的にこのプロジェクトは大成功を収めることになりました。
当然ながら、その原動力は、あの時熱い議論を交わした中国現地主要メンバーであり、成功の要因は、彼らが「約束」を守ったからでした。
仕事で最も重要なことは「尊敬」と「信頼」
このプロジェクトを通じて最も感じたことは「仕事はお互いを『尊敬』する気持ちと『信頼』があって初めて成り立つ」ということです。
もちろんプロジェクトを進めていく中では、何度もそれぞれの立場で主張すべきことがあり、時には大声でけんかするようなこともありましたが、お互いを尊敬し、そして信頼しあっていたので、仲違いしたり、プロジェクトが停滞するということはありませんでした。
「尊敬」と「信頼」という意味では後日談があります。
プロジェクトが終了し、チームが解散となってから何年か経った後の話です。
日本にいた私に1本の国際電話がかかってきました。
発信者不明だったので、恐る恐る出てみると、
〇〇さん、久しぶりです。私は今度中国の別の会社に転職することになりました。私は〇〇さんと一緒にやったプロジェクトを忘れることができません。〇〇さんと会えたことを幸せに思います。本当にありがとう。
あの中国現地マネージャからでした。
仕事にとって、もっと言えば人として、お互いを尊敬し、信頼し合うことがいかに大事なことか、改めて感じた瞬間でした。
まとめ
いかがだったでしょうか?「中国で学んだ仕事で最も重要なのは〇〇だった」について、前編も合わせてまとめますと、
- 「傾聴と受容」を忘れないこと
- 「課題と目標」を共有すること
- やるべきことをお互いに約束すること
- 仕事で最も重要なことは「相互尊敬」「相互信頼」
ということでした。
仕事はひとりではできません。多くの仲間と一緒につくりあげるものです。
お互いを尊敬し、信頼し合って仕事をしたいですね。
今回のお話が皆さんの仕事の一助になりましたら幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。