中国で学んだ仕事で最も重要なのは〇〇だった!前編
こんにちは。私は2000年代から2010年代にかけて中国や台湾の様々な都市、企業を訪れ、多くの仕事を現地の方々と一緒にしてきました。
そこで学んだことは「中国だから」「台湾だから」というものではなく、仕事をする上で世界共通のものではないかと感じています。
実際、それらを応用して、今でも日本での仕事やコーチングに活かしています。
本日はその一端をお伝えしたいと思います。
目次
契約書がすべてではない
よく外国企業と仕事をするときは、契約書できっちりと双方の役割だったり、成果の定義、権利の帰属先、お金の分担などを明確にし、それに基づいてドライにやっていくというイメージがあると思います。
ある種正しいのですが、現場で仕事を進めていくとき、これだけではうまくいかないことの方が多いです。実際に中国でもこんなやりとりが日常的にありました。
- 依頼者:契約書にこう書いてあるからこれやって!
- 受注者:契約書にこう書いてあるからこれしかやらない!
なんとなくイメージできますか?
結局、依頼者側(日本側)がお金を払っているので、押し切るのですが、こんな状況で仕事を進めてもうまくいくはずもなく、最終的な成果は出るのですが、その品質に問題があったり、優秀と思われた担当者からいなくなったりして、結果「だから中国はよくないんだよ」ということになります。
現場における本音
中国でのプロジェクトがうまくいかないので、テコ入れをするという仕事をしたことがありました。
「なぜうまくいかないのか?」を探るべく、中国の現場マネージャと1週間ひざ詰めで話をしました。
彼から出てきた話を要約すると、
日本からメールで「これやれ!」という連絡がくるが、それに関する背景の説明が全くない。また、情報を出したと言うが、「生のデータ」だけで、それに関する分析や意見もない。だから、我々もそこに書いてある「情報のみ」対応して、契約書の「成果」を出すだけだよ。我々だって本当は色々勉強したいし、成果だって期待以上のものを上げたいよ。
というものでした。
中国に乗り込む前までは「〇〇という中国企業は言うことを聞かない。仕事が雑。」という話を日本で聞いていたのですが、いざ直接話を聞いてみると、意欲はあるもののそれを活かすような話し合いが現場間でもたれていなかったということがわかりました。
「傾聴と受容」こそ仕事の基本
何が問題だったでしょう?
- 日本側はコストの安い中国に委託している以上、手間をかけずに中国側でよい成果があがるようにやってほしい
と考えていますし、
- 中国側は安い価格で受けているので、それ相応の人員で対応し、契約書にある成果のみ出せばよい
と考えています。どっちも言い分は間違えていないと思います。
一番の問題は「そうしたお互いの立場を踏まえて話し合い、一緒に問題解決をする」という姿勢がなかったということです。
つまり、対話に必要な「傾聴と受容」を欠いていたということなのです。
先ほどの中国マネージャとひざ詰めで話をした結果、問題の根本原因がわかり、また、不満を受け止めることで、彼らの溜飲を下げることができました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
チームで仕事を進めていく上で「傾聴と受容」は非常に大事なことだと思います。
言葉や文化が異なる国と仕事をすることで浮彫になったところもありますが、日本の中で仕事をする上でも重要ですね。
「言うことを聞かない」「成果を出せない」「うまくいかない」と嘆くチームリーダーほど、自分の意見ばかり主張し、仲間の言い分を聞いたり、受け入れたりしていないということがよくあります。
「傾聴と受容」は対話の基本ですので、どんな状況でも忘れずにいたいものです。
今回のお話が皆さんのお仕事の一助になりましたら幸いです。
また、後編では、先ほどの中国企業と具体的にどのように問題解決を図っていったかについてお話させていただこうと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。