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心が折れた時の対処法

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こんにちは。突然ですが、皆さんは仕事で心が折れることはありますか?また、立ち直るために何をしていますか?

かくゆう私もしょっちょう心が折れていました(いまも折れること自体は変わりませんが)。昔は「お酒飲んで、テレビ見て、ふて寝」というルーチンでなんとか解消しようとしましたが、結局何日も悶々と気持ちが晴れなかったんですよね。でも、いつの間にか、すっと消えちゃうこともあるんです。これって何なんだろうかと。。。

「時が解決した」という人もいますが、私も昔はそう思っていました。しかし、キャリアコンサルタントの勉強をしていく中で、その理由がなんとなくわかり、更にストレングスコーチンの勉強の中で、それが確信に変わりました。今日は「心が折れた時の対処法」について、心理学的アプローチと私の経験についてお伝えしたいと思います。少しでもお役に立ちましたら幸いです。

 

目次

1.自己効力感を高める

皆さんは「自己効力感」というものをご存知でしょうか? 心理学者のアルバート・バンデューラが提唱し、以下のように定義されています。

自己効力(Self Efficacy)とは、自分が、ある具体的な状況において、適切な行動を成功狸に遂行できるという予測および確信のこと。また、その感覚を「自己効力感」と呼ぶ。*1

 簡単に言うと「なんとなく、できそうな感じがする」という感覚のことで、要は「自分に自信がある」状態のことです。これって「心が折れている」状態の真逆のことですよね。つまり、心が折れたら、「自己効力感」を高めればいいということなんです。

では、どうやって自己効力感を高めるのか?バンデューラは以下4つの影響によって育てられるとしています。

  1. 成功体験
  2. 理経
  3. 社会的説得
  4. 生理的・感情的状態

成功体験は「最も効果的な方法」と言われています。ただし、単純に成功を積み重ねるのではなく、ある程度困難に打ち勝って成功した経験により、自己効力感が高まるとしています。「わかるけど、じゃどうすればいいの?」ということになりますが、後ほど述べます「強みを活用する」というところと合わせることで、イメージができると思いますので、いまはこれだけ覚えておいてください。

理経験は「成功モデルを見る」と言われるもので、「自分と同じような人が忍耐強く努力して、成功する」様子を見ることで、自己効力感が高まるというものです。例えば、同期の仲間が必死に努力して、成果を上げたところを見ると、「自分もできるんじゃないか?がんばってみるか!」と思うようになるというとイメージが湧くかもしれません。

社会的説得とは「第三者や社会からの説得」を言います。分かりやすく言うと、「がんばれ!」「君ならできる!」と声をかけてもらうことです。しかし、これだけで、自己効力感を身につけるのは難しいとされていて、失敗に終わると、逆に自己効力は低下すると言われています。なんとなくわかりますよね。もちろん、声をかけてもらえるのはうれしいけど、それで心底晴れるか、自信が回復するか、といわれるとなかなかそうならないと思います。

生理的状態とは「痛みや苦痛」が自己効力を下げること、感情的状態とは「否定的な感情」が自己効力を下げることを意味します。当然と言えば当然ですが、心身ともに健康であることが自己効力感を高める基本ということです。ただ、心が健康でないから、自己効力感が下がっているわけで、まぁ、少なくとも体だけでも健康にしておかないといけないということでもありますね。

2.強みを活用する

「強み」については、別の機会でご説明しますが、イメージとして、自分が持っている「強み」を活かしたら、うまくいく可能性が高いということは理解いただけると思います。そして、そう感じれることこそ「自己効力感」の高まりであり、心が折れた状態から脱することにつながるわけです。

心が折れていたのに、なんとなく忘れられたというとき。もしかしたら、自分の強みを活かしたことで「プチ成功」を体験していたのかもしれません。

私の経験をお話しさせていただくと、開発PMをしていたところから、規模も業種も異なる会社の事業企画に移り、マーケティング・営業戦略を考えなくてはいけなくなったとき、何から手を付けたら良いのかわからず、また何年もやってきている営業メンバーとうまく会話できず、心が折れていました。そのとき、自分がこれまでやってきたことを思い出し、得意であった現状分析・目標設定、リスクアセスメント、問題解決というPDCAサイクルマネジメントを軸に考え、エリア攻略やメディア戦略、BCPといった施策を打ち出すことで、自信を取り戻し、メンバーとも打ち解けることができました。

今も心が折れることがあると(特に新しい挑戦をするとき)、自分の強みが何かを思い出し、できるだけその領域で戦うようにすることで、心を整えようとしています。

「でも自分には強みがない」という人がいるかもしれませんが、そんなことは絶対にありません。長年働いている人であれば、それまでやってきた仕事の中で、何か自信がついたもの、達成感を感じれたもの、モチベーションが上がった瞬間というものがあるはずです。それは自身の「強み」と思ってよいものだと思います。

また、客観的に調べることもできます。米国Gallup社の「クリフトン・ストレングス」とそれに基づくコーチングによって、自身の資質(才能)を知ることができ、そこから強みを理解できるようになります。導入用に書籍「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0」もありますので、一度ご覧になることをお勧めします。

3.まとめ

いかがだったでしょうか? 心が折れた時の対処法ー自分の強みを理解して、その領域で成功体験をする ということが一番効果的ということになります。また、そのためには日ごろから、自分の強みを意識することも重要です。家族や友達、会社の同僚や先輩と話しをすることで、つかめるものもありますし、第三者であるコーチやカウンセラーを使ってみるのもよいかもしれません。いずれにしても、一人で考え込まず、周りと話しをしてみることから始めてみましょう。

*1:GCDF CAREER COUNSELOR TEXT BOOK1