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「キャリア」って何だろう?

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こんにちは。今日は「キャリア」についてお話しさせていただきます。国家資格キャリアコンサルタントの資格を取得し、社内研修やコンサルティングもしている経験を踏まえ、「キャリアって何?」というところから簡単にご紹介できればと思っています。

深堀すると、ものすごーく長くなるので、そのあたりは追々お伝えします。

 

目次

1.キャリアって何だろう?

いきなり核心ですが、「キャリア」って何だと思いますか?研修とかでこの質問をすると大概の人が「仕事の経験」と答えます。特にベテラン社員の人でそのように答える人が多いですね。最近の若い人は、大学や就職活動の際に見聞きすることもあるようで、分かっている人が多くなっていますが、まだまだ少数派かもしれません。

「キャリア」とは、ずばり言うと「これまでの人生そのもの」となります。どういうこと?と思われるかもしれませんが、働いてきた時間はもちろんのこと、学生生活、家族との生活、余暇・学習、自由時間、すべてひっくるめて、これまでの自分自身の道のりのことを「キャリア」といいます。

ネットで調べれば色々なところで見ることができますが、キャリアの語源はラテン語の「轍(わだち)」を意味する言葉だと言われています。轍とは、馬車が通った後ろにできる車輪の跡ですよね。つまり、「自分が歩んできた足跡」それが「キャリア」ということになります。

余談ですが、キャリアコンサルタントを勉強すると、一番最初に習うのが、このキャリアに関する考え方です。と同時に「キャリアアップという言葉は本来ない」ということも教わります。どういうことかというと、キャリアの意味を考えれば当然ですが、「キャリアがこれまでの足跡であれば、それにアップとかダウンとかはない」ということです。これからのことを考えるということであれば、キャリアアップではなく、この後説明します「キャリアデザイン」とか「キャリアプラン」ということになります。

2.キャリアビジョンとキャリアプランとキャリアデザイン

将来のキャリアという意味で「キャリアビジョン」「キャリアプラン」「キャリアデザイン」という似たような言葉を耳にしたことがある方もいると思います。よくごっちゃになるので、まずはこのあたりを一旦整理してみましょう。

  • キャリアビジョン
    人生をどういうものにしたいか(やりたいこと、夢や願望)であり、自分のキャリアの未来像のこと
  • キャリアプラン
    キャリアビジョンで思い描いた理想と現状とをつなぐ現実的な目標と計画のこと
  • キャリアデザイン
    キャリアプランを主体的に設計すること

将来のキャリアを考えるとは「これまでのキャリア(人生すべて)を振り返り、その上でキャリアビジョン(将来像)を設定し、現状とのギャップからキャリアプラン(目標と計画)を考え、キャリアデザイン(主体的に設計)していく」ということになります。

なんとなくわかったけど、具体的にどうやるの?というのが一番問題だと思います。大企業だと、社内にキャリアセンターのようなものがあり、キャリアデザインについて相談できたりします。また、中小企業でも最近は厚生労働省が推奨している「セルフキャリアドック制度」を導入して、人事総務の方が相談に乗ってくれるというところもあるかもしれません。

ただ、あんまりメジャーじゃないですね。理由のひとつとしては、企業内にキャリアに関する専門家がいないということ、また外部から招聘するにはコストがかかることがあげられます。また、経営陣の中には社員にキャリアを考えさせると、転職されてしまうと心配して、あえて考えさせないようにするという人もいます。

目に見える理由としてはそんなところですが、従業員がキャリアを考える機会が与えられない最大の要因は、日本の「終身雇用」と「職能資格制度」です。

ひとつの会社でずっと働くことが前提で、その会社のルールや仕事の進め方(職能)を多く経験し、理解したものが偉くなり、給与があがる、といった仕組みが脈々と受け継がれ、今もなお日本の多くの企業でメジャーだからです。

こうなると、社員への教育にかけるコストもおのずと「今もしくは将来自社に必要なもの」に偏り、多様な個人の将来に対する配慮は皆無となります。

しかし、多くの方はすでにお分かりだと思いますが、年金支給開始年齢が上がる一方、役職定年制など会社で「現役」として働ける期間は短くなり、将来、転職や起業といったことはしたくないと思っている人でも、生活していくために「現在の会社人生後」のことを考えざるを得ない状況なのです。

特に今の若手社員の方々は、より深刻になっていると思います。人生100年時代ということをよく耳にすると思いますが、寿命が延び、100歳まで生きるのに、入った会社でバリバリ働けるのは50歳くらいまで。つまり、人生の残り半分、職業人としては、それまでのキャリアの倍近く生きていかなくてはなりません

どうやって生きていきます?年金はアテになりません。むしろ現役の社会保険料は高くなり、手取りは減って、なけなしのお金を銀行に預けても利息は雀の涙。投資をしろと言われても世界情勢が不安定で乱高下を繰り返し、勝てるかどうかは運次第。

こんな状況だからこそ、将来のキャリアを自分で考えることが重要なんです。

もちろん、現役時代に人生の勝ち組になって、50歳代でリタイアし、悠々とした残りの人生を暮らすために将来の(仕事以外の)キャリアを考えるという人もいるかもしれませんが、それはごく一部だと思います。多くの人は、生活していくためにどうやって、働くか、身内の介護や自身の健康と向き合いながら仕事とそれ以外の時間のバランスをどうやってとっていくか、ということを考えなければならないはずです。

3.まとめ

いかがだったでしょうか?最後はちょっと後ろ向きな話になってしまいましたが、将来のキャリアについて考える必要性をご理解いただけたかと思います。

将来のキャリアを考える具体的手法については、また別の機会に説明したいと思いますが、まずは、キャリアについて興味をもっていただき、考える一助になりましたら幸いです。今後もキャリアについては、ふかーい話、あさーい話、混ぜながらお伝えできればと思っています。