お仕事部ヘッドコーチ

お仕事にまつわる様々な悩みを解決するヒント!

「理想の会社」って何だろう?

f:id:oshigoto-bu:20200707084623p:plain

こんにちは。今日は「理想の会社」についてお話ししたいと思います。

皆さんにとって「理想の会社」って何でしょうか?「お給料が高い会社」「残業が少ない会社」「休日が多い会社」「福利厚生がしっかりしている会社」「一流企業」「小さくても好きなことができる」などなど人それぞれ色々だと思います。また、これは立場によっても変わると思います。

ですので、今回はあくまでも私の主観的なお話として読んでいただければと思います。

私にとって「理想の会社」とは「心理的安全性が確保されている場で、イノベーションを創出し続ける会社」です。どういうことか?このあとお話させていただきます。

 

目次

1.心理的安全性が一番重要

皆さんは「心理的安全性」という言葉をご存知でしょうか?最近よく耳にする言葉かと思います。Googleで調べればたくさん検索結果がでてきますし、詳細な説明もありますので、細かいことはそちらに委ねたいと思います。ちなみに以下サイトは非常にわかりやすいですね。

www.kaonavi.jp

ざっくり言うと「思っている事や感じている事を自分で自分にブレーキをかけることなく、表現できること」となります。

皆さんの職場はいかがですか?上司や部下、仲間に思っていることをストレートに話すことができますか?そんな職場だったら毎日会社に行くのが楽しいし、仕事にも力が入りますよね。

給料や休日、福利厚生ももちろん生活をしていく上で重要ですが、実際に働く場が荒れていたら、何も発言できず、ただただ言われるがまま、怒られるがままの会社だったら、長続きはしないと思います。また、そんな会社では自身の成長もありません。

しかし、ここで気を付けなくてはいけないのは「心理的安全性」の本質を理解せずに誤って使っている会社です。

よくあるケースとして、会社の役員や管理職に「あなたの会社は心理的安全性が確保されていますか?」と質問したときに「もちろん、ありますよ。みんな自由に発言しています。私の部下は新卒なのに私にため口で話しをしてきますよ。」という会社。

こういう会社は、本当の意味での「心理的安全性」が確保されていないことが多いです。どういうことか?

確かに「役員・管理職は自由に発言している」「新卒も誰にでもため口で話しをしている」のですが、あくまでも「自分勝手」に話をしているだけで、相手を尊重したり、尊敬したりする気持ちが全くないということです。

なんとなくイメージつきますか?自信ありげに先進の会社ということをアピールする若い会社で目にしますが、最低限の礼儀や心遣いがない会社です。このような会社で長く働きたいと思いますか?みんなで協力してがんばろうという気持ちになるでしょうか?

心理的安全性」の本質とは「『相互信頼・相互尊敬』の上に築かれるもの」とされています。上司・部下関係なく、みんなが仲間を信頼し、尊敬する気持ちがあって初めて自由に発言しあえるということなんです。

2.イノベーションを創出し続ける会社

会社の経営に携わっている人は理解できると思いますが、会社というのは「現状維持」ということが一番難しいのです。どういうことか?

すごくわかりやすい例でいうと、人件費です。仮に全く人を増やさないとしても、年齢や成果が上がってくれば昇給というものが必要になります。昇給をしないと決めたら、恐らく人が辞めていきますので、新しく同じ条件の人を採用する必要があります。そこで余分な採用費や教育費が発生しますし、なにより物価上昇に合わせた最低賃金上昇に合わせて、そもそも初任給をあげないといけませんから、同じ条件で採用しつづけるということ自体困難です。

つまり、これだけ見ても、会社は少しずつでも成長していかなければならないのです。

では、成長しつづけるためには何が必要なのでしょうか?

これまでの世界はどこかしらの地域で大きな成長があり、世界全体として成長をつづけてきました。1990年までは日本がそれを牽引していましたし、その後はBRICs、特に中国の目覚ましい成長がありました。多くの企業はその成長に合わせて事業を進めていけば、わずかながらでも、成長を続けることができました。

しかし、今日は予測不能の混迷の世界と言われています。以下のようなキーワードを聞いたことがないでしょうか?

  • VUCA(Volatility/Uncertainly/Complexity/Ambiguity):不確実な世界
  • Disruptive World:破壊的創造世界
  • SDGs(Sustainable Development Goals):持続可能な開発目標

このような時代では、従来の延長線上にはない「イノベーション」を創出しつづけることが成長を続けることになるのです。

かつてのように、リーダーが決めた方向を正とし、それを実現するために「同じベクトル(価値観)」を持つよう組織全員に要求したところで、イノベーションを起こすことは難しいでしょう。

例えば、高度成長期であれば、「大量生産大量消費」というある程度成功が見込めるビジネスモデルがあり、その実現のために、組織全員が同じ方向を向いて進めることで成功の可能性が高かったのですが、そうしたある種、誰にでもわかるような、理解できるような方向がイノベーションを起こさなければいけない時代には、なくなってしまったんです。

つまり、一つの価値観に全員で突っ込むと、大成功するかもしれないのですが、無限にあるベクトルの中からそれを当てるのは砂漠の中で針を探すことよりも難しく、失敗の可能性が高いということになります。しかも、一つの方向性しか考えていないと、失敗してからのリカバリーに時間がかかり、ただでさえ変化が激しい世界でのこのロスは致命傷になりかねません。

このことは、組織の中にいる人々の様々な考えを活かす「多様性」が求められることにつながります。

ただし、多様性を活かすといっても簡単ではありません。従来のピラミッド構造組織の会社の中で多様性という話をしても、うわべだけの意見、忖度されたアイデアしか出てきません。

真に多様性を求めるならば、それを発揮できる場、つまり、組織のみんなが自由に発言できる「心理的安全性」が確保された場でなければならないということです。そして、それを実現させるにあたってのベースとなるものが、先にお話した「相互信頼・相互尊敬」ということになるのです。

3.まとめ

いかがだったでしょうか?今回の話を少しまとめますと、

  1. 不確実な世界ではイノベーションを起こさないと生きていけない
  2. そのためには、多様性を重視した様々なアイデアが議論される組織が必要
  3. そのためには、「心理的安全性」が確保された場が必要
  4. そのためには、組織内の「相互信頼・相互尊敬」が必要
  5. これが実現されている会社こそ「理想の会社」

となります。前回に続いてかなり煩雑な話になってしまい、恐縮なのですが、最初にお話した「心理的安全性が確保されている場で、イノベーションを創出し続ける会社」ということについて、ご理解いただけましたら幸いです。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。