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チームワークを阻害する3つの格差

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こんにちは。皆さんの会社、組織のチームワークはいかがでしょうか?といいますか、そもそもチームワークが良いとか悪いというのはどういう状態だと思いますか?

以下のブログでお伝えしたことに近いのですが、チームワークの良いチームというのはいわゆる心理的安全性」が確保されている状態だと思っています。

oshigoto-bu.hatenablog.com

逆に私の経験上ですが、チームワークの悪いチームは以下が散見されます。

  • お互いマウントとることばかり考えて、発言の証拠取りに奔走する
  • 正しい正しくない関係なく、声が大きい人の意見だけが通る
  • 何も言わないほうが平和と考え、ダンマリを決め込む人が多数いる

どうですか?見るからにいやーな雰囲気のチームですよね。成果なんて出るはずもないですし、下手すれば空中分解の可能性もありえます。

このようなチームには、共通する問題があります。

それは「3つの格差」が存在しているということです。

心理的安全性を阻害する要素として「格差」が挙げられるのですが、特にこの3つが大きく影響していると私は考えています。本日は「3つの格差」とその解消法について、これまでの経験も交えてお伝えしたいと思います。

 

目次

1.「3つの格差」とは?

チームワーク、心理的安全性を阻害する「3つの格差」とは以下と考えています。

「階級格差」とは、そのままですね。いわゆる役職です。例えば、皆さんが平社員だとして、部長10名の会議に1人あなたが参加するということを想像してみてください。言いたいこと言えますでしょうか?なかなか言えないですよね。また、別の例として、チームの中に部長、課長、課長代理、課長補佐、係長、主任、新人のあなただったら、どうでしょう。やっぱりなにも言えないですよね。チームの中に大きな階級の格差があったり、階級がたくさん存在したら、どうしても上の階級の人に忖度することになってしまいます。

情報格差」とは、一部の情報を持っている人が実質組織をマネジメントしている状態です。声が大きい人とイコールの場合が多いですね。情報に偏りがあるとどうしてもそこに大きな壁(情報が少ない人が自由に発言できない壁)が生まれます。

余談ですが、かつての社長・部長・課長といった役職は、上の立場の人ほど多くの情報を持つことができたので、そのヒエラルキーが成立したと言われます。現代のネット社会では、ちょっとググれば、昔では偉い人しか知ることができなかったことまで見ることができるので、役職上位者が優秀とか偉いとか言えなくなったという話もあります。

また「情報格差」の最悪のケースとして「自分の情報は出さず、メンバーには情報を出すことを要求するが、基本的に得た他者の情報は信じず捨てる」という人を何人か見たことあります。このような人がいるチームは総じてチームとしての体を成してません。

「能力格差」とは、ずばりチームメンバー各人の能力に差があることです。これは人が複数人集まれば、当然起こり得る話ですが、悪いケースとしては、「能力が高いと思われる人」が「能力が低いと思われる人」に圧をかけ、組織をマネジメントしようとする状態です。口がうまい人(論理的に見えて屁理屈の正論しか言わない人)ほどそういう傾向が強いですね。このようなチームは揚げ足とりばかり横行し、物事が前に進まないことが多いです。

2.「3つの格差」の解消法

「3つの格差」をご覧いただきましたが、これらを解消するには、人事や管理職といった組織を大きく変えることができる人たちの協力が必要となります。なぜなら、彼らが持つ既得権益を手放すことになるかもしれないからです。その意味では、彼らにこの「3つの格差」解消によるメリット、成果を出せるチームづくり、イノベーションを起こすための心理的安全性が確保されたチームづくり、ということを理解してもらうことが先決です。

その上で、それぞれの格差に対する解消法は以下のように考えます。

  • 階級格差
    できるだけフラットな組織が理想的。階級を減らしてフラットに議論できるような組織をつくる。
  • 情報格差
    情報の透明性を確保する。Wikiやチャット、グループウェアなどクラウドサービスを活用して、できるだけ情報を階級に係らずチーム全員と共有する。
  • 能力格差
    メンバー各自の強み・弱みを見える化・共有化した上で、できるだけ強みに着目し、チームとして、各自の強みを活かすような仕事のアサインを検討する。

「階級格差」の解消は人事制度含め大幅な組織改革が必要となりますので、時間がかかりますが、「情報格差」の解消は短期で効果が表れます。特にそれまで情報が隠ぺい体質だったチームでは、これだけでもメンバー間の信頼度があがり、仕事へのモチベーションも改善されます(実際に私自身半年で効果を実感しました)。

また「能力格差」におけるメンバーの強み・弱みについては、以下ブログでも紹介しましたが、Gallup社の「ストレングス・ファインダー」によって、見える化することができます。こちらも実際にチームに適用したことがあるのですが、個人だけではなく、チームとしての強み、弱みを客観的に見ることができるので、弱みをどう補っていくべきか、この人の強みをこういう仕事で活かそうとか、話し合うことが可能となります。

oshigoto-bu.hatenablog.com

3.まとめ

いかがだったでしょうか?「チームワークを阻害する3つの格差」についてご理解いただけたでしょうか。最後に少し整理すると、「3つの格差」とその解消法は、

  • 階級格差:階級を減らしてフラットに議論できるような組織をつくる。
  • 情報格差Wikiやチャット、グループウェアでチーム全員と情報共有する。
  • 能力格差:メンバー各自の強み・弱みを見える化・共有化した上で活用する。

であり、これにより、成果を出せるチームづくり、イノベーションを起こすための心理的安全性が確保されたチームづくりが可能となり、結果として、チームワークを高めることできるということでした。

皆さんのチームづくりに少しでもお役に立てば幸いです。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。