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人生に訪れる3つの転換期

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こんにちは。本日は久々にキャリアに関するお話をさせていただこうと思います。

テーマは「人生に訪れる3つの転換期」です。

キャリア理論を勉強したときに非常にわかりやすかったダニエル・レビンソンの「ライフサイクル論」をベースにお伝えします。

すべてが当てはまるわけではありませんが、「なるほどね」とか「そーそー」とか感じるところがあると思いますし、「将来のこともたまには考えないとなー」と思われる方もいるかもしれません。

あくまで1つの理論*1ということでお聞きいただければと思います。

 

目次

1.成人への転換期(17歳~22歳)

この時期は、親や社会に守られて生きるのではなく、自分で道を切り開いていかなければならないという自覚を持つようになる頃です。つまり、「私は誰か?」という問いに対して、「私は誰でもなく、かけがえのない自分」と確認できなければならないとされています。また同時に、大人の世界の可能性を模索し、成人の生活のための暫定的選択を試していくことになります。

ちょうど高校卒業、大学卒業して社会人になっていく時期ですね。皆さんはどうですか?このようなことを感じていたでしょうか?

私は四半世紀以上前の話なので、詳細は忘れてしまいましたが、確かに「自分で働いて生活していかなくてはならないからどんな仕事に就こうか」と考え始めたころでしたし、企業調査とか自己分析とか始めたのもこの頃だったと思います。

そういう意味では、就職活動のときに自己分析するのは、この時期の成長・発達という観点からもよいことなのかもしれません。「私は誰か?」ということを自身に問い、本当の自分に向き合う最初のときだと思いますので。

この時期の課題としては、「他者と比較して、自分は劣っていると思い込み、無力感、無価値を感じる(「アパシー」と呼ぶ)」、「自分が自分であると思えなくなる(「離人感」と呼ぶ)」というものがあります。

以下ブログでもお伝えしましたが、「自己効力感」を高めることがこの時期には特に大事になってきますね。

oshigoto-bu.hatenablog.com

2.中年への転換期(40歳前後)

この時期は「人生半ばの過渡期」とも呼ばれ、最も重要とされています。本当の自分らしさの模索・葛藤を通じて、真の自己との折り合いをつける段階です。

これまで守ってきたものが守れ切れなくなり、自分が崩れてしまうような恐怖感を無意識に感じます。そして、それを経て「真の自己」を生きていくという「個性化への道」を歩み始めなければならないとされています。

こちらはどうでしょうか?まだこの年齢に達していない方は「なんのこっちゃ?」という感じがあると思いますが(私も昔はそう思っていました)、この年齢を通過すると、ものすごく共感できる話です。

私自身、41歳で初めて転職し、そこから激動の日々でした。それまでは1つの会社で成果を上げ、昇進・昇格するという右肩上がりのキャリアを経験していましたが、この時期から数度の転職を経て、「本当の自分とは?自分らしさとは?」ということを考えるようになりました。

また、同期でまだ同じ会社に勤めていた仲間から「上の人間の指示が正しいと思えず、従いたくない。転職しようか、独立しようか考えたくなる。」という話もこの時期からよく聞くようになりました。みな同じような考えを持つようになりますね。

この時期の課題としては、「生活構造の変化を踏まえて新しい生活構造を作り上げること」というものがあります。

過去を見つめ、現実を受け入れ、その上でこれまでとは違う自分を再構築していく必要があるということになります。

非常に辛い時期ですが、ここでの変化を受け入れず、成人中期(45歳~50歳)に入ってしまうと、その時期に大きな危機が訪れると言われています。変化を恐れず行動していくことが重要ですね。

3.老年への転換期(55歳~65歳)

この時期は、死を受容しつつも、新たな生への希望を獲得する時といわれています。

様々な人との別れがやってきて、「死にゆくものとしての自分」を受け入れなくてはならず、また、自分の親がもっていた役割を今度は自分が引き受け、次の世代を育てるものとしての新たな役割を構築しなければなりません。

同時に社会から葬られるのではないかという恐怖感と、役割の喪失感によって孤立化が進み、過去への引きこもりもしばしば発生すると言われています。

どうでしょう?私はまだこの年齢に達していないので、身に染みて感じるということはないのですが、内容はよくわかります。また、老年期で役割を喪失する恐怖から会社や組織にしがみつき、若者に自分の過去の栄光を長々話すという人を何人も見てきているので、自分はそうなりたくないと思いつつ、その恐怖感に勝てるかと考えることもあります。

この時期も現実(死)を受け入れ、自身を更に変えていく必要があるということだと思います。次の世代を育てるということもそうですが、何か新たな生きがいを見つけることが大事になってきますね。

4.まとめ

いかがだったでしょうか?「人生に訪れる3つの転換期」についてまとめますと、

  • 成人への転換期(17歳~22歳)
    自己効力感を高めつつ、本当の自分に向き合う
  • 中年への転換期(40歳前後)
    過去を見つめ、現実を受け入れ、これまでとは違う自分を再構築
  • 老年への転換期(55歳~65歳)
    現実(死)を受け入れ、新たな生きがいを見つける

ということでした。

最初にお伝えした通り、すべての人に当てはまるものではないのですが、長い人生、誰しも転換期、過渡期というものを何度か経験すると思います。

そのときに備えてどのような心構えでいるか、また実際になった時にどう対処するのかについて、たまに考えてみるのもよいのではないでしょうか。

今回の記事がその一助になりましたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

*1: GCDF CAREER COUNSELOR TEXT BOOK1