人生100年時代、生涯仕事を続けるための3つのヒント
こんにちは。最近、人生100年時代と言われていますが、皆さんは、100歳まで生きるイメージ湧きますか?
現役時代にいっぱい稼いで、悠々自適で100歳まで暮らせれば、楽しいでしょうけど、なかなかそういう人ばかりではないですよね。
お金があったとしても、仮に60歳で定年して、あと40年何しましょう?
そう考えると、生涯現役で働きたいという人も多いのではないでしょうか。
でも、現実は厳しく、再雇用、再就職しても、これまでのスキルや経験が活かせない数合わせの仕事しかなかったりします。
そうならないためにも、定年間際になる前に、早いうちから生涯仕事を続けるための準備が必要になるのです。
今日はそのヒントとして3つのポイントをお話させていただこうと思います。
目次
1.現実をありのまま受容する
これ結構重要です。
年齢を重ねていくと、現実を直視できないことが増えてきます。
「こんなはずじゃなかった」「自分はまだまだできる」「若いやつには負けない」など。
でも、若い時と同じ感覚で仕事はできません。それは自分の衰えもありますし、時代の変化ということもあります。
昔、プロ野球で活躍された故野村克也氏が「人間絶対勝てないものは、時代と年齢」と言ってましたが、まさにその通りです。
年齢や時代の変化を受け入れ、『自分にしかできないこと、自分が本当にやりたいことが何なのか』を考えることが必要なのです。
そして、それはサラリーマンであれば、今の会社の中の話ではなく、「会社の看板をはずして、一個人としてどう捉えるか?」が重要です。
2.環境に合わせた自己変革を行う
さて、現実を見つめ直したら、今度はその現実に自分を合わせていくことが必要です。
自己変革というと大げさかもしれませんが、ちょっとしたことでもいいと思います。
普段あまり見ないような本を読んでみる、ちょっと縁遠かった人と会って話をしてみる、街の清掃ボランティアに参加してみる、とか。
こうしたことを繰り返していると、これまでとは違った風景が見えてくるはずです。
もしかしたら、その中に「自分が残りの生涯をかけてやるべき」と思えるものがでてくるかもしれません。
3.学び直しと生涯にわたる学習継続
そして、最後3つ目のポイントは「学び直しと学習継続」です。
「今更勉強~」という声も聞こえてきそうですが、仮に80歳までバリバリ元気に働けるとしたら、60歳で定年を迎えても20年もあります。
大学卒業して、23歳で入社したとして、20年後は43歳。普通の会社なら、新卒から部課長になっている時間と同じくらいあるのです。
だとしたら、60歳から「新卒」のつもりで働くことを目指して、「学び直し」や「学習継続」が必要ということもご理解いただけると思います。
今は、社会人大学や様々な資格取得の学校はもちろんのこと、ネット上での各種サービスなど、年齢が上がっても勉強には事欠かない環境があります。
生涯仕事をつづけるためには必要不可欠な要素ですので、早いうちから少しずつでもいいので、習慣化しておきたいですね。
4.まとめ
いかがだったでしょうか?「生涯仕事を続けるための3つのヒント」ということでお伝えしましたが、実はこれ「プロティアン・キャリア」というキャリア理論のお話をちょっとアレンジしたものでした。
「プロティアン・キャリア」とは、環境の変化に応じて自分自身も変化させていく、柔軟なキャリア形成のことをいいます。「プロティアン(Protean)」はギリシア神話に出てくる、思いのままに姿を変えられる神プロテウスが語源となっており、「変幻自在な」「多方面の」と訳されます。組織内でのステップアップに重きを置いた従来のキャリアにかわり、地位や給与ではなく、自己成長や気付きといった心理的成功を目指す。アメリカの心理学者ダグラス・ホールによって提唱されたキャリア理論です。(引用:日本の人事部)
生涯仕事をつづけていくためには「環境変化に合わせて、自分自分も変化させていく」ことが重要だということです。そして、そのポイントとして、
- 現実をありのまま受容する
- 環境に合わせた自己変革を行う
- 学び直しと生涯にわたる学習継続
ということでした。
少しでも皆さんのお仕事の一助になりましたら幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
仕事における「3つの喜び」とその獲得方法
こんにちは。
皆さんは仕事の中でどのような時に喜びを感じますか?
すぐ思いつくのは「給料が上がった」とか「ボーナスが思ったより出た」ということではないでしょうか?うれしいですよね。うれしいです!
でも、それだけでしょうか?
お金以外にも仕事を通してだから得られる喜びがあると思います。
本日は私の経験から「3つの喜び」を紹介し、どうやってそれを得てきたかについてお伝えしたいと思います。かなり主観ですのでご容赦ください。
目次
1.達成感
1つ目は「達成感」です。
「そりゃそうでしょ」と言われそうですが、おっしゃる通りです。すいません!
ただ、どうやって「達成感」を得ることができると思いますか?
まぁ、人それぞれだと思いますが、私とこれまでの私の部下たちの経験を踏まえると、「ちょっとだけ高い目標を達成したとき」にそれを感じます。
「ちょっとだけ」がミソです。
簡単な目標だと達成しても「まぁそうだよね」で終わりますし、えらい大変な目標だと確かに達成すれば、ものすごい達成感を得られますが、たいがいは達成する前に挫折してしまいます。なので「ちょっと」なのです。
では、どうやって「ちょっとだけ高い目標」を設定したらよいのでしょうか?
これまた私の経験で恐縮ですが「自分の目標とする人が今当たり前にやっていること」を目標とするのがよいと思っています。
どんなデキる先輩もみんな段階を踏んできたわけで、過去に設定した目標だったり、目標としていたわけではなかったけど、結果的にそこでの成果が今につながるというものがあるはずなので、そういうものを聞いて自分の目標とするのです。
先に話をしたように、いくら目標とする人に近づきたいからといって、今その人がやっていることを目標としても、うまくいかず、自分が疲れてしまうだけですから、「目標とする人の過去」をマネて、同じように達成できれば、達成感というものもひとしおになるはずです。
周りにそういう人がいなければ、社外の人だったり、有名人だったり、目指したい人がいれば、そういう人の過去の目標を見てみるのがよいかと思います。
2.成長実感
2つ目は「成長実感」です。
自分が成長していると感じることができれば、やっぱりうれしいですよね。
皆さんはどうやって普段感じますか?
明らかに「これまでできなかったことができるようになった!」というものがあると、成長したなーと感じると思いますが、そうでないと意外とわからないのではないでしょうか?
これも私の経験ですが、一番感じ取れるのは「やれることをアウトプットできること」であり、更にその中でもよいのは「他人に教えることができること」です。
なんとなく想像できるのではないでしょうか?
これまで教わっていた立場だったのが、教える立場になったとき、なんかえらく「成長したなー」と感じませんか?
かなり余談ですが、私は学生のときにある短大で講師のアルバイトをしていました。
授業の内容は自分が専攻していたものの基礎部分で、それを教えることで「成長したなぁ」と我ながらしみじみ感じたことを覚えています。実はこれって、仕事だけじゃないんですよね。
仕事に話を戻しますと、、、部下だったり教える相手が周りにいないようであれば、家族でも同期の仲間でも学生時代の友達でもいいんです。
だれかに「自分がやってきたこと、できたこと」について話すことで、自分に対しての自信が湧いてくるはずです。
それこそが「成長実感」であると思っています。
3.認められること
最後の3つ目は「認められること」です。
自分のやってきたことが、自分の存在が、「認められること」ほどうれしいものはないと思います。
一番はなんといっても「ほめられる」ことですよね。
私の経験で「ほめられたー」と印象深いのは、もちろん、成果が出た時、目標達成した時ですが、それ以外で覚えているのは「他の人がやりたがらないこと、これまでにない新しい挑戦を自ら志願してやった」ときです。
このときは、結果云々は関係なく「やろうとした姿勢」をほめられました。
「認められる」ために成果を出すというのは、簡単ではありませんが、「どんなことにも挑戦する気持ちを持つ」というのは、それほど難しくないと思います。
仕事をする上でいつも心がけたいことですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?「仕事における『3つの喜び』とその獲得方法」について、整理しますと、
- 達成感:自分の目標とする人を参考にする
- 成長実感:他人にやってきたこと、できたことを話す
- 認められること :どんなことにも挑戦する気持ちを持つ
ということでした。
どれか一つでもいいので、仕事の中に喜びを見つければ、会社に行くことも、仕事をすることも楽しくなりますよね。
自分の中の喜びとは何かを考え、それを仕事の中で探すというのもよいのではないでしょうか。
また、人事や管理職の方には、部下がこうした喜びを感じられるような環境を用意していただきたいですね。きっと会社や組織の成果にもつながるものと思いますので。
今回のお話が皆さんの仕事の一助になりましたら幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
仕事での問題解決における3つのポイント
こんにちは。
仕事をしていると、問題にぶつかり、そして、それを解決しなくてはいけないということが多々あると思います。
私もあちこちで勃発する問題を解決をするために会社にいるようなもんでした。
最初のうちは、どうやって進めていくか、手探りでやることになりますし、慣れてくると、今度は解決策ありきのなんとなく「流す」ようになってしまいます。
問題解決に向けたアプローチというものは人それぞれあってよいと思うのですが、私なりに色々やってきた上で、どんな問題でもここだけは押さえておきたいというものがあるので、そのあたりを少しお話させて頂こうと思います。
目次
1.本質観取(問題を正しくとらえて原因特定)
「本質観取」とは所説あり、捉え方は色々なのですが、私は「重要なポイント、本質を見極める」ことだと考えています。
問題解決の最初にして、最大のポイントは「問題の本質を正しく理解する」ことであり、まさにこの「本質観取」こそ重要なのです。
これを間違えると、その後の対策があらぬ方向にいってしまいます。
例えば、
- 部屋が片付かない
「掃除できない問題」ではなく「物が多い問題」 - 書類がすぐに見つからない
「書類棚未整理問題」ではなく「PCで文書を扱えない問題」 - 商品が売れない
「商品や営業の問題」ではなく「適切な社内資源配分できていない問題」
ということだったりします。
また、もっと危険なのは、問題を正しく把握する前に解決策をセットに考えてしまうことです。こちらも例えば、
- 部屋が片付かないから新しい掃除機を買う
- 書類がすぐに見つからないから新しい書類棚を買う
- 商品が売れないから新しいサービスの開発に着手する
と言った感じです。
掃除機買うくらいならまぁいいですけど、事業をこんな感じで進めてしまったらぞっとしますよね。皆さんの会社がそうでないことを祈ります。。。
「問題の本質を正しく理解」したら、次にやることはその原因を特定することです。
私がよくやるのは、特性要因図を作成することです。こんな感じのものですね。
こういったものを使って、原因についても論理的に、本質を捉えて特定していくということが重要です。
いずれにしても、最初の「思いつき」で進めないということです。
問題解決に慣れていない人もそうですが、慣れ始めた人も丁寧に問題の本質を見極めることを省いてしまうことがあるので(速く解決させようと焦って)、注意したいところですね。
2.差分管理(解決策の立案と実行)
問題の本質が理解でき、原因も特定できたところで、いよいよ「解決策の立案と実行」を行います。
原因特定までがしっかりできていれば、意外と解決策の立案というものはスムーズにできるものです。
なぜなら、原因が明確なので、それを「排除か回避」する方法を考えればよく、更にはそうならないための「予防」も念頭に置くということを忘れなければ、おかしな計画にはなりません。
そして、計画ができた上で大事なことは「その計画との差分をしっかり管理する」ということを実行フェーズで行うということです。
計画までしっかりできていれば、その後、新たな問題は「計画との差分」で必ず起きます。その「差分」を更に分析して、計画にフィードバックすることが重要となります。
すごーく単純な例でいえば、
- 部屋が片付かないのは「物が多い」ことが問題
- 物が多いのは「とりあえずとっておく」という考え方が原因
- 「不要」リストを作成して不要なものを取っておかない運用とする案を計画
- リストに従ってものを判別していたが、また部屋に物があふれた
- 調べると「不要」のリストにない物を「必要」と判断して、それが多かった
と言った感じです。まぁこんな単純なことは普通は起きないと思いますが、イメージとして捉えていただければと思います。
3.三現主義(実行結果の評価)
「三現主義」については以前ブログでもお話しましたが、要は「“現場”“現物”“現実”で状況を把握」するということです。
私はこれをしっかりしなかったことで何度も痛い目を見ています。
人間はどうしても物事をいい方に捉えがちです。
例えば、問題解決を進めていたら「うまくいってそう」とか「解決しそう」というよい情報に流されますし、結果的にうまく言った場合でも「こうやったのがよかったっぽい」という曖昧な情報で終止符を打ってしまうことが間々あります。
しかし、三現主義で結果を捉えていないと「実はうまくいっていなかった」とか「解決したと思ったが、実は大きな問題が見えていないだけだった」ということになりえるのです。
危険なのは、
- 事実に基づかない憶測の報告
- 複数人の伝聞による報告
- うまくいった結果しかない報告
といったものです。
きちんと「現場・現物・現実」を把握し、「何がよくて、何がよくなかったか」を総括することが大切なのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?「仕事での問題解決における3つのポイント」を整理しますと、
- 本質観取(問題を正しくとらえて原因特定)
- 差分管理(解決策の立案と実行)
- 三現主義(実行結果の評価)
ということでした。
昨今のコロナ禍で、これまでなかったような問題が色々噴出し、素早い問題解決が求められていることと思います。
報道されている政府や地方自治体の対応もまさにそうですよね。
うまくいっている、いっていないという評価をするだけの情報を持ち得ていないので、このあたりの話はできませんが、「正しく問題を捉えている」ということは信じたいところです。
自分でも「正しく問題を捉える」ということは忘れないでいたいですね。
今回のお話が皆さんのお仕事の一助になりましたら幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
仕事の「行き詰まり」から脱出する3つのステップ
こんにちは。皆さんは仕事に「行き詰まり」を感じることはありますか?
若い方はまだまだかと思いますが、特に年齢が上がってくると、色々と「先が見えて」しまい、行き詰り、停滞感を感じてしまいます。
仕事の中での停滞感には、主に以下2つがあると言われています。
- 昇進や昇格に関する停滞感
- 業務内容に関する停滞感
昇進や昇格に関しては、イメージがつきやすいですね。「これ以上偉くなれない」みたいな感じです。
業務内容に関しては、日々ただこなすだけの仕事をしていて、「これ以上仕事に広がりがない」みたいな感じです。
いずれにしても、この停滞感は「これまでの経験やスキルが通用しなくなり、挑戦意欲を失い、更には自信をなくしている」状態と言えます。
本日はこうした仕事での停滞感(行き詰まり)から脱出する方法について、私の経験も踏まえてお伝えしたいと思います。
目次
1.自己対話とありのままの現実受容
仕事での行き詰まり、停滞感を感じた場合、最初にやることは「自己対峙」です。つまり、「自分を深く見つめ直すために自己との対話」をするということです。
「自分は何者なのか?」というところからですね。
真剣に自分に向き合うということはなかなか普段やらないと思いますが、いざやってみると、本当に苦しいことです。
でも、「何かを変えるためには、まず自分が変わらなくてはならない」ということを心に留め、「自己への気づき」を得ることが必要なのです。
そして、その上で「ありのままの現実を受け入れる」ということです。
これも本当につらいです。
「偉くなってやろう!」と思っていた人が「偉くなれない現実」を受け入れなければいけないというのは、なかなかできるものではありません。
でも、これも「過去を引きずり、現実を受け入れなければ、未来は拓けない」と考えなおさなければなりません。
最初のステップは苦しく、つらい作業ですが、これを乗り越えると「行き詰まり」感からの脱出が少し見えてくるようになります。
2.価値観の再点検と柔軟に変わること
「自分を見つめ直し、現実を受け入れた」ならば、次にやることは「自分の価値観を改めて考えなおす」ということになります。
もし、これまで会社の中で「偉くなること」が、自分の「価値観」と考えていたとしたら、それは「現実的にはない」ということを受け入れた上で「別の新しい価値観」を持つようにするということです。
つまり「偉くなること」ではなく、例えば「人とのつながり」とか「後輩育成」に価値観を置くといった具合です。
そしてその上で「自分自身を柔軟に変える」ということです。
将来に向けて、人とのつながり、いわば「人脈」に価値観を置くのならば「誰とでも分け隔てなくつきあえるように心持ちを変える」といったことがこの先重要になってきます。
ここまでくれば、あとは行動に移すのみです!
3.自己啓発と新たなやりがいをつくる
「自分の価値観を見直し、気持ちを変える」ことができたならば、あとは具体的に行動に移していくことが大切です。
新たに学ぶべきものがあれば、例えば資格取得でもいいと思いますし、先ほどの人脈のような話であれば、これまで話をしてこなかったような人にでも積極的に話をするとか簡単なところからでもいいと思います。
実は「具体的行動によって自分の価値を新たにつくる」という気持ちで取り組むことは実際にそうした新たな価値をつくるということもそうですが、それまで抱えていた「停滞感」を払拭するモチベーションにつながるのです。
その上で将来を見据えた「新たなやりがい、生きがい」を作っていきます。
ここまで来たら、社内だけ自分だけではなく、もっと視野を広げてみることも必要です。
社外や住んでいる地域など、多様な人々との交流も踏まえて「本当のやりがい、本当の生きがい」を見つけ、育んでいくことで、いつの間にか、停滞感とか行き詰まりを感じることもなくなると思います。
そして、きっとこう思うはずです。
「なんてちっちゃなことで悩んでいたんだろう」と。
まとめ
いかがだったでしょうか?「仕事の『行き詰まり』から脱出する3つのステップ」を整理しますと、
- 自己対話とありのままの現実受容
- 価値観の再点検と柔軟に変わること
- 自己啓発と新たなやりがいをつくる
ということでした。
行き詰まり、停滞感というものは突然やってきます。
年齢を重ねるごとにある程度は予想できるのですが、「信じたくない」自分もいて、それが何かの拍子に現実となって、そして、自分の心に「うわっ」とのしかかってきます。
確かに最初は目をそむけたくもなるのですが、それを受け入れ、自ら変わっていくことで「新しい自分を手に入れることができる」、そういったチャンスでもあるのです。
そうした前向きな心持ちで「行き詰まり」と向き合いたいですね。
今回のお話が皆さんのお仕事の一助になりましたら幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
仕事での上司と部下の関係について考えてみる
こんにちは。上司と部下の関係って考えたことがありますか?
昔は(20世紀までは)
- 上司とは「年上で業界や社内のことに詳しくて偉い人」
- 部下とは「年下で偉い上司の下で働く人」
というイメージだったような気がします。そして、上意下達で「やれ!」「はい!」というまぁ、軍隊みたいな感じだったと思います。
でも、最近はちょっと違いますよね?
特に上司。女性の上司、年下の上司、外国人の上司、20年ほど前にはほとんど見られなかったような上司像があります。また、業界や社内知識のない人がいきなり来て、上司というケースも増えたと思います。
そして、そういう上司のもとで上司と部下との関係も少し変わってきているのではないでしょうか。
今回は改めて「上司と部下の関係」とはどういうものなのか、どうあるべきかを考えてみたいと思います。
かなり偏ってますが、1つのアイデアということでご容赦いただければと思います。
目次
社会環境の変化が上司像を変えている
冒頭でお話したように、昔の上司は、業界・社内知識が豊富で、人脈もあり、ある種「あこがれの存在」でした。
そうなり得た一番の理由は「様々な情報を他の人よりたくさん持っていた」からです。
インターネットなどない時代、個人が持つ情報など限られたものでした。多くの人脈を持ち、長い期間同じところで働いて、「いかにたくさんの情報を持つか」ということが職業人としての「価値」を決めていたと言ってもいいと思います。
その究極が「社長」であり、「誰よりも多くの情報を得ていた人」が社長でした。
ですから、上司になるには、偉くなるには、「情報を集める」ことが求められ、更に、情報が少なく反論できない部下に「指示」するということが上司の役割でした。
今はどうでしょう?
個人が多くの情報を持つことができます。ググれば大抵の事は調べられますし、SNSを使って他業界、社外の人とも情報交換ができます。
つまり、「長いこと同じところで勤めて情報を集めていた人」の価値が低くなってしまったのです。
そうなると、当然、上司は昔のように圧倒的な情報量差をもとにした「指示」を部下に出すことができなくなり、部下もその「指示」を見透かせるようになってしまいました。
これが「多様な上司」が生まれた背景のひとつだと思います。
では、このような状況の中、上司と部下とのあるべき関係はどう考えればよいのでしょうか?
上司と部下とは「双務契約」であるべき
いきなり「双務契約」と言われても、、、というところがあると思いますので、まずは言葉の説明からですが、
「双務契約」とは、当事者の双方が相互に対価的な債務を負担する契約。売買・賃貸借・請負など。(大辞林 第三版)
となります。例えば、お店でアイスを買う時、
- お店は、お金を払ってと言う権利+アイスを渡す義務
- お客は、アイスを渡してという権利+お金を払う義務
があるということです。
これが上司と部下との関係にどう関係があるの?ということですが、
- 上司は、部下に仕事を指示する権利+指示する仕事の説明をする義務
- 部下は、指示された仕事の説明を受ける権利+指示された仕事をする義務
ではないかなと思っています。
つまり、上意下達の一方的な指示だけを行使する関係ではなく、お互いに「権利」と「義務」を有していて、それぞれがそれらを履行することが求められる関係ということです。
かつて上司は「俺の言う通りやっておけ」でよかったのですが、いまは「なぜそれをする必要があるのか、どうしてそれをあなたに指示するのか」きちんと説明する必要があります。そうでないと、そもそも部下から受け入れられません。
また部下もきちんとした指示の説明を受けた以上はその指示に従わなくてはなりません。従いたくなければ、その理由を説明しなければならないですし、上司の説明が足りないのであれば、権利を行使して、説明を求めるべきなのです。
こうしたある種「対等に近い関係」こそ、今後の上司と部下の間に必要なのではないかと思っています。
まとめ
いかがだったでしょうか?「上司と部下の関係」について整理しますと、
- 昔は「情報差からくる上下関係によって、上司が部下に一方的に指示する」関係
- 今は「お互いの権利と義務を理解し、それらを履行することが求められる」関係
ということでした。
しかし、時代が変わっても、人間同士ということは変わりませんので、お互いを思い合う気持ち、尊重する気持ちは双方とも持っていないといけないと思います。
そのことだけはどちらの立場であっても忘れずにいたいですね。
今回のお話が皆さんの仕事の一助になりましたら幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
中国で学んだ仕事で最も重要なのは〇〇だった!後編
こんにちは。本日は「中国で学んだ仕事で最も重要なのは〇〇だった!前編」に続く後編をお伝えしたいと思います。
中国でのプロジェクトがうまくいかないので、テコ入れをするという仕事をしたとき、「傾聴と受容」により中国側は以下のような認識を持っており、日本と中国双方とも「お互いの立場を踏まえて話し合い、一緒に問題解決をする」という姿勢がなかったというところまでお話しました。
- 日本から「これやれ!」という連絡がくるが、背景の説明が全くない。
- また、情報はくるが「生のデータ」だけで、分析や意見もない。
- 我々もその「情報のみ」対応し、契約書の「成果」を出すだけと考えている。
- しかし、本当は色々勉強したいし、成果だって期待以上のものを上げたい。
では、ここからプロジェクトをどう立て直したのかのお話です。
目次
課題と目標を共有する
プロジェクトがうまくいっていない原因のひとつは、中国側の現地サイドが日本側の対応に不信感を持っており、モチベーションが下がっていることでした。
そこで、まず、日本側から出す情報を見直すこととしました。
具体的には、発生している問題をただ流すのではなく、推定原因別にグルーピングし、課題を共有できるようにしました。
そして、それぞれに対して、品質・コスト・日程の目標を設定し、同じ認識でプロジェクトを進められるようにしたのです。
一見すると当たり前で「こんなことすらできていなかったのか?」と思われるかもしれませんが、前回お話したように、日本側は「できるだけ手間をかけない」というスタンスでしたので、その当たり前さえできていませんでした。
ただ、どうでしょう?
身近にもこうした「当たり前」のことができていないものはないでしょうか?
「課題と目標を共有する」という初歩的なことができておらず、一部の声の大きい人の意見だけで仕事が流れていく様子を日本でも様々なところで何度も目撃しました。
何事もそうですが、基本が何より大事ですね。
やるべきことをお互いに約束する
中国側の不信感が少し払拭できたところで、更にプロジェクトを推進するために、現地に赴き、主要メンバー数十人を集めて、1週間議論することにしました。
話のテーマは「設定された目標を達成するために必要なアクションは何か?」というものです。
目標までは設定しましたが、具体的なアクションについては、日本側からはあえて提示しませんでした。
そもそも日本側の対応に不信感を抱いていたところに、こちらからまた一方的な指示をしても受け入れられないと考えたからです。
最初のころは現地メンバーはほとんどしゃべらず、こちらの様子をうかがっている感じでしたが、膝詰めでプロジェクトへの想いや日本側でやるべきことを熱く語っているうちに、少しずつ話をしてくれるようになり、最後はホワイトボードを沢山持ち込み、現地メンバー同士で「どうやったらよりよいモノになるか?」を議論し始めたのです。
そして、目標設定していなかったところまで「〇〇さん、これを新たな確認項目として追加したほうがいい。これは私の責任でやるよ。」という話まででてきました。
これまで言われたことだけ(言われたこと以下)しかやらないという姿勢だった人々が改善のために積極的な提案までしてくれるようになったのです。
こうして話し合われた内容は「やるべきことをお互いに約束する」という形でまとめました。
最終的にこのプロジェクトは大成功を収めることになりました。
当然ながら、その原動力は、あの時熱い議論を交わした中国現地主要メンバーであり、成功の要因は、彼らが「約束」を守ったからでした。
仕事で最も重要なことは「尊敬」と「信頼」
このプロジェクトを通じて最も感じたことは「仕事はお互いを『尊敬』する気持ちと『信頼』があって初めて成り立つ」ということです。
もちろんプロジェクトを進めていく中では、何度もそれぞれの立場で主張すべきことがあり、時には大声でけんかするようなこともありましたが、お互いを尊敬し、そして信頼しあっていたので、仲違いしたり、プロジェクトが停滞するということはありませんでした。
「尊敬」と「信頼」という意味では後日談があります。
プロジェクトが終了し、チームが解散となってから何年か経った後の話です。
日本にいた私に1本の国際電話がかかってきました。
発信者不明だったので、恐る恐る出てみると、
〇〇さん、久しぶりです。私は今度中国の別の会社に転職することになりました。私は〇〇さんと一緒にやったプロジェクトを忘れることができません。〇〇さんと会えたことを幸せに思います。本当にありがとう。
あの中国現地マネージャからでした。
仕事にとって、もっと言えば人として、お互いを尊敬し、信頼し合うことがいかに大事なことか、改めて感じた瞬間でした。
まとめ
いかがだったでしょうか?「中国で学んだ仕事で最も重要なのは〇〇だった」について、前編も合わせてまとめますと、
- 「傾聴と受容」を忘れないこと
- 「課題と目標」を共有すること
- やるべきことをお互いに約束すること
- 仕事で最も重要なことは「相互尊敬」「相互信頼」
ということでした。
仕事はひとりではできません。多くの仲間と一緒につくりあげるものです。
お互いを尊敬し、信頼し合って仕事をしたいですね。
今回のお話が皆さんの仕事の一助になりましたら幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
中国で学んだ仕事で最も重要なのは〇〇だった!前編
こんにちは。私は2000年代から2010年代にかけて中国や台湾の様々な都市、企業を訪れ、多くの仕事を現地の方々と一緒にしてきました。
そこで学んだことは「中国だから」「台湾だから」というものではなく、仕事をする上で世界共通のものではないかと感じています。
実際、それらを応用して、今でも日本での仕事やコーチングに活かしています。
本日はその一端をお伝えしたいと思います。
目次
契約書がすべてではない
よく外国企業と仕事をするときは、契約書できっちりと双方の役割だったり、成果の定義、権利の帰属先、お金の分担などを明確にし、それに基づいてドライにやっていくというイメージがあると思います。
ある種正しいのですが、現場で仕事を進めていくとき、これだけではうまくいかないことの方が多いです。実際に中国でもこんなやりとりが日常的にありました。
- 依頼者:契約書にこう書いてあるからこれやって!
- 受注者:契約書にこう書いてあるからこれしかやらない!
なんとなくイメージできますか?
結局、依頼者側(日本側)がお金を払っているので、押し切るのですが、こんな状況で仕事を進めてもうまくいくはずもなく、最終的な成果は出るのですが、その品質に問題があったり、優秀と思われた担当者からいなくなったりして、結果「だから中国はよくないんだよ」ということになります。
現場における本音
中国でのプロジェクトがうまくいかないので、テコ入れをするという仕事をしたことがありました。
「なぜうまくいかないのか?」を探るべく、中国の現場マネージャと1週間ひざ詰めで話をしました。
彼から出てきた話を要約すると、
日本からメールで「これやれ!」という連絡がくるが、それに関する背景の説明が全くない。また、情報を出したと言うが、「生のデータ」だけで、それに関する分析や意見もない。だから、我々もそこに書いてある「情報のみ」対応して、契約書の「成果」を出すだけだよ。我々だって本当は色々勉強したいし、成果だって期待以上のものを上げたいよ。
というものでした。
中国に乗り込む前までは「〇〇という中国企業は言うことを聞かない。仕事が雑。」という話を日本で聞いていたのですが、いざ直接話を聞いてみると、意欲はあるもののそれを活かすような話し合いが現場間でもたれていなかったということがわかりました。
「傾聴と受容」こそ仕事の基本
何が問題だったでしょう?
- 日本側はコストの安い中国に委託している以上、手間をかけずに中国側でよい成果があがるようにやってほしい
と考えていますし、
- 中国側は安い価格で受けているので、それ相応の人員で対応し、契約書にある成果のみ出せばよい
と考えています。どっちも言い分は間違えていないと思います。
一番の問題は「そうしたお互いの立場を踏まえて話し合い、一緒に問題解決をする」という姿勢がなかったということです。
つまり、対話に必要な「傾聴と受容」を欠いていたということなのです。
先ほどの中国マネージャとひざ詰めで話をした結果、問題の根本原因がわかり、また、不満を受け止めることで、彼らの溜飲を下げることができました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
チームで仕事を進めていく上で「傾聴と受容」は非常に大事なことだと思います。
言葉や文化が異なる国と仕事をすることで浮彫になったところもありますが、日本の中で仕事をする上でも重要ですね。
「言うことを聞かない」「成果を出せない」「うまくいかない」と嘆くチームリーダーほど、自分の意見ばかり主張し、仲間の言い分を聞いたり、受け入れたりしていないということがよくあります。
「傾聴と受容」は対話の基本ですので、どんな状況でも忘れずにいたいものです。
今回のお話が皆さんのお仕事の一助になりましたら幸いです。
また、後編では、先ほどの中国企業と具体的にどのように問題解決を図っていったかについてお話させていただこうと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。